米議会の中国特別委、医薬品サプライチェーンの中国依存に関する公聴会を実施
(米国、中国)
ニューヨーク発
2026年03月26日
米国連邦議会下院の「米国と中国共産党との戦略的競争に関する特別委員会(以下、中国特別委)」は3月18日、「科学研究所から薬箱へ:中国がいかにして米国の医薬品市場を独占しつつあるか」と題する公聴会を開催した。米国のジェネリック医薬品サプライチェーンおよび医薬品開発パイプラインにおける中国の支配的地位に焦点を当て、米国のバイオテクノロジー企業と医療政策の専門家が証言した。
中国特別委のジョン・ムーレナー委員長(共和党、ミシガン州)は冒頭陳述で、米国で使用される医薬品の有効成分(API)の大部分が海外で生産されている現状を強調した。ムーレナー氏は、「中国は補助金で支えられた生産能力とともに市場に参入し、価格で競合を圧倒した上で、機が熟すのを待つ。今回のケースと過去のケースの違いは、対象が医薬品であるという点だ。もし中国がレアアース(希土類)の輸出を制限したのと同じ方法で、明日にでもAPIの輸出を制限すれば、米国の病院や薬局では必須医薬品が不足し始めるだろう。その影響を真っ先に受けるのは、米軍、退役軍人、そして最も弱い立場にある患者たちだ」と述べた。
その後、USAntibioticsのパトリック・キャッシュマン社長が証言した。同氏の証言によれば、同社は米国で最も多く処方されている抗生物質アモキシシリンを米国内で唯一製造している企業だ。キャッシュマン氏は「10年にわたる補助金を受けた海外企業との競争により、当社のマーケットシェアは失われ、前オーナーは破産に追い込まれた。(現オーナーの)ジャクソン・ヘルスケアは2021年に、ビジネス投資としてではなく、国家安全保障上の責務として当社を買収した。われわれは、政府の補助金や緩い監督、時に当社の原材料費を下回る価格設定の恩恵を受けている海外メーカーと競争している。しかし、こうした課題を克服できる能力には限界がある」と述べた。
ブルッキングス研究所の医療政策専門家マルタ・ボシンスカ氏は、中国の医薬品サプライチェーンへの関与は現在、原材料段階で最も大きいものの、高付加価値の有効成分やジェネリック医薬品にも広がりつつあると指摘した。米国の医薬品サプライチェーンの大部分は、インドや欧州を介して中国に間接的に依存しているため、第三国の製造業者が中国の輸出制限の影響を受ける可能性が高いと述べ、安定供給には同盟国との連携が不可欠だと強調した。また、臨床的重要性、サプライチェーンの依存度、患者への影響範囲に基づいて重要医薬品をランク付けしたリストを作成し、重要度に応じた対応を提案した。中国以外の調達先を拡大するため、関税優遇によるフレンドショアリング推進の必要性も挙げた。日本が抗生物質の生産拡大に取り組んでいる点にも言及し、こうした取り組みが米国にも裨益(ひえき)する可能性があると説いた。
(大垣ジャスミン)
(米国、中国)
ビジネス短信 fb8fc7e2312dee5c






閉じる