トランプ米大統領、アルミに対する232条関税の軽減措置を発表、対米投資企業が対象
(米国)
調査部米州課
2026年07月21日
米国のドナルド・トランプ大統領は7月20日、1962年通商拡大法232条に基づくアルミニウムへの追加関税に関し、米国に投資を行う企業に対して関税の軽減措置を設ける大統領布告を発表
した。ホワイトハウスは同日、軽減措置に関するファクトシートも公表
した。商務省が今後、企業から投資計画を募集し、軽減措置の対象企業を選定する。
今回の措置は商務長官の報告と勧告を受けて決定した。商務長官は、232条関税が米国のアルミ産業を強化し、追加関税の発動理由となった安全保障上の脅威に対処していると評価した。その一方で、米国経済と防衛産業基盤にとって重要な一次アルミの国内生産と供給はいまだ十分ではないと報告し、一次アルミの国内生産拡大のための奨励策を講じるよう勧告した。
この勧告を受け、トランプ氏は商務長官に対し、一次アルミの米国内生産への新規投資を促すプログラムを構築するよう指示した。商務長官は企業から一次アルミに関する投資計画を募り、同長官から計画を承認された企業は、投資の規模に応じて232条関税引き下げの恩恵を受けることができる。具体的には、投資が完了した場合に見込まれる年間生産量に相当する量の一次アルミの年間輸入について、232条関税の税率を半減する(注)。
関税の軽減措置を受けるために企業は、一次アルミを生産する施設の米国内での新設や改修、拡張に関する計画を提出する必要がある。これら施設の建設は2029年1月20日までに開始しなければならない。商務長官は、投資計画のスケジュールの商業的妥当性や生産量予測の合理性などを考慮して、計画を承認するか決定する。企業が投資計画を実行できないと判断した場合、商務長官は関税の軽減措置を取り消すことができる。
トランプ政権は、米国で生産する自動車や中・大型トラック、それらの部品に用いられる鉄鋼・アルミについても、関税の軽減措置を設けている(2026年4月28日記事参照)。今回の一次アルミに関する関税の軽減措置は、既に導入されているこの措置を基に構築される見込みだ。
(注)関税の軽減措置の対象となる一次アルミの米国関税分類番号(HTSコード)は明示されていない。現行の232条関税では、アルミ派生品を除くアルミは原則50%の税率が設定されている。詳細は2026年6月4日記事および米国税関・国境警備局(CBP)の6月5日付ガイダンス
を参照。
(甲斐野裕之)
(米国)
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