チェコの「ウクライナ基金」プログラムの貿易保険案件100件達成、累計取引総額は約157億円

(チェコ、ウクライナ)

プラハ発

2026年07月16日

チェコの輸出信用機関である輸出保証・保険公社(EGAP)は7月7日、「ウクライナ基金」プログラムを通じて引き受けた同国向け貿易保険案件が、2023年7月の本プログラム導入以降2026年6月30日までに合計100件に達したと発表した。保険引き受け案件の累計取引総額は20億6,900万コルナ(約157億2,440万円、1コルナ=約7.6円)となっている。現在までに保険金請求は発生していない。

保険引き受け案件数は2023年の9件(取引額合計3億600万コルナ)から、1バイヤー当たりの保険価額の上限引き上げが行われた2024年には32件(同6億4,400万コルナ)に急増した。2025年も39件(同7億3,300万コルナ)、2026年上半期(1~6月)も20件(同3億8,600万コルナ)と堅調な伸びを示している。2026年3月には、保険対象期間の18カ月から24カ月への延長などの適用要件が緩和された(2026年4月14日記事参照)。

保険引き受け案件を輸出部門分野別にみると、耕運機など農業機械が最も多く、全100件中75件、取引総額は16億500万コルナで全体の78%を占めた。取引総額では以下、食品(8%)、エネルギー(7%)、窯業(4%)が続く。うち食品は長期保存が可能なもの、窯業は釉薬(ゆうやく、注)が中心となっている。

EGAPのダビット・ハブリーチェック取締役会長は、ロシアのウクライナ侵攻による紛争状態が継続しているにもかかわらず、保険引き受け案件の輸出総額が同侵攻前の2021年の半分以上を上回り、今後も増加傾向にあると強調し、「チェコ企業がウクライナ市場で紛争下においても事業を展開している事実は、同国の戦後復興にチェコ企業が参画するための決定的な要素の1つとなる」と指摘している。

ウクライナ復興へのチェコ企業参画について、チェコ政府は積極的に支援する姿勢をみせている。アンドレイ・バビシュ首相、カレル・ハブリーチェック産業貿易相、ズザナ・ムラーゾバー地方開発相は7月2日、ウクライナ=チェコ商工会議所と協議し、EGAPの輸出支援のほか、EUの「ウクライナ・ファシリティー」(2024年2月6日記事参照)へのチェコの参加と国家開発銀行(NRB)による融資などの可能性を中心に意見交換を行った。また同商工会議所が準備中の、ハブリーチェック産業貿易相のウクライナ訪問およびこれに同行するビジネスミッションも議題の1つとして取り上げられた。

(注)陶磁器などの表面を覆うガラス質の層を形成するために用いられる材料。陶磁器などの製作時に成形した器に施して焼成し、装飾性や耐久性を高める。

(中川圭子)

(チェコ、ウクライナ)

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