チェコ政府、ウクライナ向け貿易保険の保険対象期間延長など適用要件を緩和

(チェコ、ウクライナ)

プラハ発

2026年04月14日

チェコ政府は3月30日、チェコの輸出信用機関である輸出保証・保険公社(EGAP)の「ウクライナ基金」プログラムを通じて引き受けている同国向け貿易保険の適用要件について、保険対象期間の18カ月から24カ月への延長や特別保険料上乗せ率の20%から10%への引き下げのほか、輸入業者の支払い実績の証明に関する緩和などを承認した。

EGAPは、ロシアがウクライナへの侵攻を開始した2022年2月に引き受けを停止したウクライナ向け貿易保険について、2023年7月に「ウクライナ基金」プログラムを導入し、再開していた。2024年4月には1バイヤー当たりの保険価額の上限を300万ユーロから500万ユーロに引き上げた(2024年4月23日記事参照)。

カレル・ハブリーチェック産業貿易相は、「われわれの目標は、チェコ企業の国際競争力を最大限に高めることだ。そのためわれわれは、より困難な市場への貿易に関しても、輸出業者向け融資支援のツールを強化している。『ウクライナ基金』プログラムの改正により、保険適用条件が簡素化され、同国でのビジネスを目指すチェコ企業に対する保証が強化される」と説明している。

またアレナ・シレロバー財務相は、「今回の改正は、国庫に負担をかけることなく、チェコの輸出企業を確実に支援するものだ」と強調した。

EGAPによると、2025年のウクライナ向け貿易保険引き受け案件の取引総額は7億3,300万コルナ(約54億9,750万円、1コルナ=約7.5円)で、ロシアによるウクライナ侵攻前の水準を上回った。「ウクライナ基金」プログラム開始後の累計では取引総額は約17億コルナに達している。一方、保険金請求は発生していない。

チェコ産業連盟は、チェコからウクライナへの輸出総額も近年急増していると指摘。チェコ統計局のデータによると、2024年は前年の約448億コルナから約26%増の約565億コルナ、さらに2025年には前年比約11%増の約627億コルナに達している。2025年の輸出を品目別にみると、電気機器・同部品が全体の35%を占めてトップ、以下、自動車・同部品が13%、機械・同部品が13%と続いている(注)。

(注)軍事装備品や武器の一部は、ユーロスタットの統計方法に従い、他の分類品目に含まれている。

(中川圭子)

(チェコ、ウクライナ)

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