ベルギー企業、モーリタニアで火力発電所10カ所をハイブリッド化する契約を受注

(ベルギー、モーリタニア、フランス)

パリ発

2026年07月10日

ベルギー機械エンジニアリング大手のジョンコックリル(注1)は6月30日、モーリタニア電力公社(SOMELEC)が運営するモーリタニア国内10カ所の火力発電所をハイブリッド化する契約を受注した。太陽光発電とエネルギー貯蔵システムを組み合わせた新たな太陽光発電所10基を今後2年内に建設する予定だ。

具体的には、総出力8メガワットピーク(MWp、注2)の約1万5,000枚の太陽光パネル、総容量13メガワット時(MWh)の蓄電池ラック53基、そして設備全体の制御を担うプラント・マネジメント・システムから構成される。各サイトでは、新設される太陽光発電設備が光ファイバーを通じて既存の火力発電所に接続される。同社は今後10年間にわたり、これらの小規模エネルギーネットワーク(マイクログリッド)の保守・運用サービスも提供する。さらに、SOMELECのチームに対し、ハイブリッド型太陽光発電システムの運用・管理に関する研修を実施するためのトレーニング施設の設置も予定されている。

モーリタニアのモハメド・ウルド・ガズワニ大統領による2026年4月15~17日のフランス公式訪問の際に、モーリタニア・フランス経済フォーラムが4月17日に開催された。そのフォーラムにおいてSOMELECとジョンコックリルは、モーリタニアのエネルギー転換および脱炭素化を支援する契約を正式に締結した。それに先立ち、フランス政府とモーリタニアとの間で、2025年11月にフランス公共投資銀行(BPI France)を通じて、同プロジェクトへのフランス政府による譲許的融資に関する協定の調印が行われた。フランス政府の低利融資によるこの戦略的プロジェクトは、ジョンコックリルのフランス支店ジョンコックリル・アモンをはじめとするフランス企業の専門知識が投入され、同社は設計、プロジェクトマネジメント、および設備の安定運用・保守を担うという。

モーリタニアは、温室効果ガス(GHG)、排出削減目標の第3次国別決定貢献(CDN3.0)において、2035年までに温室効果ガスの純排出量を75.8%削減することを目標としている。同プロジェクトは、同排出削減目標を後押しするもので、同国の化石燃料への依存度の低減とともに、孤立地域におけるエネルギー管理の最適化の実現が期待されている。

(注1)John Cockerill(ジョンコックリル) は、ベルギーのセラン(Seraing)に本社を置く総合エンジニアリング企業グループ。1817年に創業され、エネルギー、水素、防衛、産業設備、環境、モビリティ、インフラ分野向けに大規模な技術ソリューションを提供。近年は北アフリカでの事業を強化している(2026年6月24日記事参照)。

(注2)メガワットピーク(MWp): 太陽光パネルの最大出力をメガワット単位で表したもの。

(渡辺智子)

(ベルギー、モーリタニア、フランス)

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