金融法草案と中国人民銀行法改正草案を公表、意見募集開始
(中国)
北京発
2026年07月13日
中国の第14期全国人民代表大会(全人代)常務委員会第23回会議が6月23~26日の日程で開催された。同会議では、「金融法(草案)
」「中国人民銀行法(改正草案)
」の第1回の審議が行われた(注1)。両草案は6月26日に公表されるとともに意見募集が開始された。意見募集の期間はいずれも7月25日まで。
「金融法(草案)」は全11章、95条で構成される。同草案は、金融サービスによる実体経済への貢献の質と効率の向上、金融の監督・管理の強化、金融リスクの予防・解消、金融の質の高い発展の促進を目的としている。
具体的な内容としては、金融活動・金融機関・金融業務の定義を明確化するとともに、中国の特色ある現代金融システムの構築、金融リスクに対する等級分類別の監督管理の実施などが盛り込まれた。また、中国人民銀行が中央銀行として、通貨政策の枠組みの整備、マクロプルーデンス管理(注2)政策の枠組み構築を実施することを明記した。
「中国人民銀行法(改正草案)」は全8章、54条から構成される。2004年施行の現行法において、中国人民銀行の職責に関する規定が近年の金融業の発展に十分対応しきれていない点や、マクロプルーデンス管理制度の不十分さなどを踏まえ、改正が提案された。
現行法からの主な変更点として、金融活動に対するマクロプルーデンスの政策枠組みを構築し、その管理を実施することが明文化されたほか、デジタル人民元の法的位置付けを明確化した。また、中国人民銀行によって制定・執行された政策として与信に関する政策が追加された。さらに、現行法ではマネーサプライ、金利および為替レートに関する政策実行について国務院の批准を受ける必要があったが、改正草案ではその対象が為替レートのみとなった。このほか、中国人民銀行は状況に応じて逆周期的な調整(カウンターシクリカル、短期的な経済の変動を緩和する調整)、周期をまたぐ調整(クロスシクリカル、短期および中長期の変動を踏まえた調整)などの措置を実施できることが明記された。このほか、金融分野の違法行為に対する法的措置の充実、外国による不当な域外管轄措置への対応(2026年4月15日記事参照)など、幅広い分野にわたって改正が行われている。
(注1)全国人民代表大会常務委員会による立法手続きには「三審制」が採用されており、新規立法および現行法の全面的な改正には、原則として3回の審議を要する。
(注2)金融システム全体のリスクの状況を分析・評価し、それに基づき制度設計や政策対応を行うことで、安定を確保する考え方。
(蒋春霞)
(中国)
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