スペイン政府、2026年成長率見通しを2.6%に上方修正、中銀はインフレ率3.6%を予測
(スペイン)
マドリード発
2026年07月07日
スペイン政府は6月29日に発表したマクロ経済見通しで、2026年の実質GDP成長率の見通しを2.6%とした
。2025年11月の前回予測から0.4ポイントの上方修正。中東情勢の不確実性が残る中でも、雇用拡大、個人消費の底堅さ、企業投資の持続を背景に、引き続きユーロ圏平均を上回る成長を見込む。特に総固定資本形成は5.0%増と高く、これは主に「EU復興計画(注)」の推進と建設投資によって支えられている。一方、輸出は1.6%増にとどまる。物価指標はGDPデフレーター(2.9%)のみで、消費者物価指数(CPI)の見通しは示していない。今回の見通しは2027年予算案編成の土台となる。
一方、スペイン中央銀行が6月18日に公表した予測
は、物価面の上振れリスクを強調する。中銀は2026年のインフレ率見通しを3.6%、2027年を2.6%とし、前回3月予測から0.6ポイント、0.1ポイント上方修正した。エネルギー価格の上昇は幅広い財・サービス価格に波及しつつあり、2026年のインフレ率見通しは前回予測の悪化シナリオに近い水準へ修正された。エネルギー・食品を除くコアインフレは、サービス価格の高止まりや労働コスト上昇を背景に、2026年、2027年とも3.2%と、ユーロ圏見通し(両年とも2.5%)を大きく上回り、基調としては物価圧力がなお強いとの見方だ。
尚、スペイン中央銀行によるGDP成長率予測は2026年2.3%、2027年1.7%と、国際環境の悪化にもかかわらず前回予測から据え置いた(添付資料表参照)。2026年第2四半期の経済活動の上振れと、2027年の移民流入による人口増が、悪要因による下押しを相殺すると説明している。
緊急経済対策第2弾を閣議承認
政府は物価高への対応を継続すべく、3月の50億ユーロ規模の緊急経済対策(2026年4月14日記事参照)に続く第2弾の措置を6月29日に閣議承認した。家計向けの炭化水素税減税は、減税幅を1リットル当たり15セント(7月)、10セント(8月)、5セント(9月)と段階的に縮小し、9月末で撤廃する。ただし、燃料物価が前年同月比15%を超えて上昇した場合には、減税幅を従来の20セントに戻す自動復帰条項を設けた。一次産業・輸送セクター向け燃料支援は維持し、肥料補助は既存の5億ユーロに1億6,500万ユーロを積み増す。併せて、電力生産税は税率を2028年にかけて現行7%から段階的に廃止する。第2弾の措置は2026年に18億2,500万ユーロ規模となり、電力生産税廃止により、2027~2028年にはさらに27億ユーロの税負担軽減が見込まれる。
(注)EU復興基金を活用したスペイン政府の復興・変革・強靭(きょうじん)化計画
(伊藤裕規子)
(スペイン)
ビジネス短信 3a76677788cb5069





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