電動航空機のベータ・テクノロジーズ、運輸省プログラムeIPPで初の州間運航に成功
(米国)
ニューヨーク発
2026年07月15日
航空宇宙・防衛企業の米ベータ・テクノロジーズ(本社:バーモント州、以下ベータ)は7月10日、複数州のパートナー(注1)とともに、米運輸省(DOT)および米連邦航空局(FAA)が主導する「先進エアモビリティー(注2)および電動垂直離着陸機(eVTOL)統合パイロットプログラム」(eIPP)の下で初となる、固定翼型電動航空機(eCTOL、注3)による州間運航を完了したと発表
した。
eIPPはドナルド・トランプ大統領が2025年6月に発令した大統領令「米国のドローン覇権を解き放つ(Unleashing American Drone Dominance)
」に基づき設立されたプログラムである (2026年3月19日記事参照、注4)。先進エアモビリティーの安全な運航に向け、官民連携による実証運航を実施するとともに、そこで得られたデータを、規制を含む新たな政策策定に活用することを目的としている。2026年3月にはeIPPの立ち上げ事業として8件が選定されており、そのうちベータは7件に参加している。
ベータは、2017年に設立された企業で、eCTOLやeVTOL、電動推進システム、充電システムなどの設計、開発、製造を手掛ける。今回の実証飛行では、同社のeCTOLを使用し、バージニア州からメリーランド州の4空港を順次結ぶ合計約275カイリ(約509.3キロメートル)を航行した(注5)。バイオテクノロジー企業の米ユナイテッド・セラピューティックス
(本社:メリーランド州)が供給する移植用臓器を輸送し、医療輸送を中心とする物流分野での電動航空輸送の実現可能性を検証した。
ベータのカイル・クラーク最高経営責任者(CEO)は「今回の成功は、電動飛行による低コストでの日常的な医療輸送に道を開くものだ」と述べた。また、FAAのクリス・ロシュロー副長官は「各eIPP事業で得られるデータは、全米での安全な運航事業の拡大に向けた政策形成に役立つ」と期待を示した。
(注1)ペンシルベニア州運輸省、バージニア州航空局およびメリーランド州航空局。
(注2)eCTOL、eVTOL、ドローンなどを含む。
(注3)Conventional takeoff & landing all-electric aircraftの略。滑走路を利用して離着陸する航空機のことであるが、VTOLなどと区別するために使われる表現。
(注4)同大統領令は、安全保障の観点から、無人航空機システム(UAS、通称ドローン)および関連産業における米国内製造の強化や、サプライチェーンの構築、および海外市場への輸出拡大を目的としている。
(注5)バージニア州のバージニア工科大学モンゴメリー・エグゼクティブ空港、同州シャーロッツビル・アルベマール空港、メリーランド州のフレデリック市営空港、および同州ボルチモア郡のマーティン州営空港。
(大原典子)
(米国)
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