欧州の技術移転機構が多数参加の会合が開催、国際連携、軍民両用技術、商用化など議論

(ポルトガル、EU)

ロンドン発

2026年07月22日

欧州委員会の共同研究センター(JRC)主催の「第17回欧州技術移転機構(TTO:Technology Transfer Office)サークル総会」がポルトガル・ポルトで6月18~19日、開催された(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。総会には、欧州の主要な研究・技術機関(RTO)のTTOをはじめとする関係機関やイノベーション関係機関など、36の団体が参加した。情報通信、先端電子技術、環境・エネルギー分野など多様な技術領域の知見を有する関係者が集った(添付資料表参照)。

総会では、知的財産の保護・ライセンスという基本的な議題を超え、軍民両用(デュアルユース)技術の移転への関与方法、ブルーエコノミー(注1)、知的財産の商業化、スタートアップ育成などについて議論が行われたほか、参加者同士の交流も活発に行われ、各機関の連携強化の場となった。軍民両用技術の観点では欧州委より、EUの「第10次研究イノベーション枠組みプログラム(2028~2034年)(2026年7月2日付地域・分析レポート参照)を見据え、後から防衛用途に技術を転用するのではなく、初期段階から民間・防衛両用途での社会実装や事業化を念頭に研究開発を進める「Dual Use by Design(設計段階からのデュアルユース)」の考え方が示された。

国際連携に関するパネルセッションでは、ジェトロが国際協業連携事業(J-Bridge、注2)を紹介し、日本企業の知的財産活用上の課題やTTOとの連携の重要性について説明した。また商用化のパネルセッションでは、「欧州RTOディープテック・スピンオフクラブ」の創設を通じた有望スタートアップの資金調達・市場展開支援の枠組みが提案され、新たな連携モデルとして注目を集めた。

なおジェトロは、6月11日にロンドン(2026年7月3日記事参照)、翌日の12日にはオランダ(2026年7月10日記事参照)で、それぞれ英国・欧州大陸側の大学のTTOと日本企業を結ぶイベントを開催しており、TTOを軸にした日本企業の共同研究・スピンオフスタートアップ発掘などを推進している。同イベントに関しても、今後欧州委に対し日本企業の関与を呼びかけていく予定だ。

写真 会場の様子(JRC提供)

会場の様子(JRC提供)

(注1)海洋資源や海洋空間を持続可能なかたちで活用し、経済成長と環境保全の両立を目指す経済活動を指す。

(注2)日本企業と海外スタートアップなどによる国際的なオープンイノベーション創出のためのビジネスプラットフォーム。詳細はジェトロウェブサイト参照。

(岡野愛美、蒲田亮平)

(ポルトガル、EU)

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