ドイツのプロキシマ・フュージョン、核融合分野で欧州最大規模の資金調達を実施
(ドイツ)
ベルリン発
2026年07月23日
ドイツ・ミュンヘンの核融合スタートアップのプロキシマ・フュージョンは7月7日、4億1,100万ユーロの資金調達を実施したと発表した(プレスリリース
)。同社は今回のラウンドについて、欧州の核融合分野では過去最大規模の民間資金調達だとしている。同社の企業評価額は24億ユーロとなり、ユニコーン企業入りした。資金調達は、英国のXTXベンチャーズとEast Xベンチャーズが主導し、ドイツのエネルギー大手RWEのほか、ドイツ復興金融公庫(KfW)傘下の投資会社・KfWキャピタルや、連邦飛躍的イノベーション機構(SPRIND)なども出資した。
プロキシマ・フュージョンは、2023年にマックス・プランク・プラズマ物理学研究所(IPP)からスピンオフした企業で、今回調達した資金は、ミュンヘン近郊で計画する正味エネルギー生成を目指すステラレータ型核融合実証炉「Alpha」の建設などに充てる。同社は、「Alpha」を数十年にわたる核融合研究と商業展開との間をつなぐ重要な橋渡しと位置付けている。計画は、バイエルン州、IPP、RWEとの連携により進められる。経済紙「ハンデルスブラット」(7月7日付)によると、「Alpha」の総事業費は約20億ユーロと見積もられている。
IPPによると、今回の資金調達により、2026年2月にバイエルン州、プロキシマ・フュージョン、RWE、IPPが締結した覚書で定めた民間資金調達条件が満たされた。同覚書では、民間資金の確保を前提にバイエルン州が公的支援を実施する方針を示しており、今回の調達によって州政府支援実施に向けた条件が整った。一方で、「Alpha」実現には連邦政府による12億ユーロの支援も必要とされているが、現時点では確約されていない。
RWEは同日、今回の資金調達ラウンドに2,500万ユーロを出資したと発表した。同覚書にて各パートナーは、バイエルン州グンドレミンゲンのRWE旧原子力発電所跡地で、世界初の商業用核融合発電所の建設を目指している。長期的には、「Alpha」を基盤とするパイロット発電所「Stellaris」を同地に建設する構想が示されている。米国グーグルも戦略的投資家として参加しており、核融合を将来的な炭素排出のない安定的なエネルギー源として位置付けている。ドイツ連邦政府も、核融合分野を重点研究領域の1つに位置付け、研究開発支援を進めている(2025年8月6日記事、2025年11月25日記事参照)。
(中山裕貴)
(ドイツ)
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