ジェトロ、カーボンニュートラル促進に向けた燃料電池/蓄電池に関するウェビナー開催
(日本、ベトナム、米国)
イノベーション部エコシステム課
2026年07月10日
ジェトロは6月30日、第16回地域エコシステムセミナー「カーボンニュートラル促進に向けた燃料電池/蓄電池の活用」(注1)を開催した。同ウェビナーは、脱炭素社会の実現に向けて、エネルギーの安定供給と効率的活用を支える燃料電池や蓄電池への関心が高まる中、日本の地域エコシステム関係者(注2)と外国・外資系企業とのさらなる連携拡大やビジネス創出を図ることを目的に開催されたもの(注3)。国内外の企業や自治体、団体、大学など延べ293人が参加した。
ウェビナーでは、ベトナムのスタートアップのアルテルノ(Alterno、2025年11月27日記事参照)、米国ブルームエナジーの日本法人ブルームエナジージャパン(Bloom Energy Japan)の2社が登壇し、日本での取り組みについてそれぞれ紹介した。
アルテルノによる講演の様子(ジェトロ撮影)
ブルームエナジージャパンによる講演の様子(ジェトロ撮影)
アルテルノは、砂を利用した熱エネルギー貯蔵技術「サンドバッテリー(砂電池)」を開発・提供するスタートアップで、2025年に茨城県つくば市に日本法人を設立した。日本の技術やニーズに合わせて製品の現地化・研究開発を進め、脱炭素に向けた実証実験やパートナーシップを推進している。
講演では、ゼロエミッションの熱を効率的に乾燥用途向けに供給する砂蓄熱式熱エネルギー貯蔵システムと、同社が開発を進めている電力貯蔵システムである小型セル電池について紹介。これらの技術の特長として、低コスト、高効率に加え、火災や爆発のリスクがない高い安全性を挙げた。また、日本での今後の事業展開について、データセンターや農業用温室への導入に注力する方針を示した。さらに、熱エネルギー貯蔵技術および蓄電池技術の普及拡大に向け、パートナー企業との共同研究を進めるなど、連携強化に取り組んでいると述べた。
ブルームエナジージャパンは、ブルームエナジーが開発した高効率な電気と高温の排熱が活用できる固体酸化物形燃料電池(SOFC)の仕組みと、日本を含む世界各国での導入事例を紹介した。同社の燃料電池は、データセンターの建設をはじめ電力需要がますます拡大する中、オンサイトで電力が供給でき、災害にも強い分散型電源として注目されているという。また、カーボンキャプチャー(二酸化炭素の回収)や、電気と熱のエネルギーを同時に活用するコージェネレーション(熱電併給)による二酸化炭素(CO2)の排出削減にも貢献できると強調した。
ウェビナーの参加者からは、「人工知能(AI)の普及による日本の蓄電池および燃料電池に対する市場ニーズの変化と、スタートアップの萌芽(ほうが)を垣間見ることができた」「蓄熱システムの活用は興味深い。データセンター向けに燃料電池の実用化が進んでいることが理解できた」といった声があった。
(注1)地域エコシステムセミナーの詳細や開催実績は、ジェトロのウェブサイト「対日投資:ジェトロのサポート」を参照。
(注2)地域エコシステム関係者とは、自治体、大学・研究機関、産業コミュニティ、企業、アクセラレータ、金融機関などのこと。
(注3)ジェトロは、日本企業と海外スタートアップなどとのオープンイノベーション・協業・連携を促進するプロジェクト「J-Bridge」を実施している。スタートアップへの取り次ぎを希望する場合は、ジェトロ・イノベーション部エコシステム課(IVC@jetro.go.jp)まで連絡を。
(表志保)
(日本、ベトナム、米国)
ビジネス短信 206a9b4a2a0073ec





閉じる