インド標準規格局、エタノール含有率の高いガソリンの規格を発表
(インド)
ニューデリー発
2026年05月26日
インド標準規格局(BIS)は5月15日付で、E22(エタノール22%混合ガソリン、以下同様)、E25、E27、E30などエタノール含有率の高いガソリンに対する新たな規格である「IS 19850:2026」を発表した。
原油を輸入に依存するインドでは、中東情勢の悪化に伴う原油の供給不足や価格高騰を背景に、エネルギー確保や外貨流出への危機感が高まっている。現地報道によると、インド政府は、エネルギーの安定供給や原油の輸入削減を目的として、現在のE20からE25まで、ガソリンに対するエタノール混合率の引き上げを検討している(5月10日「エコノミック・タイムズ」紙など)。今回の新規格制定は、エタノール混合率引き上げに向けた基盤整備の一環となる。今後、自動車メーカー各社は、このガソリン仕様に対応した車両の開発や製造が求められていくとみられる。
インド政府は、エネルギーの輸入依存度の低減や国内産業振興などを目的としてバイオエタノールの普及を推進してきた。「国家バイオ燃料政策2018」では、2030年までにガソリンへのエタノール混合率を20%にするという目標を掲げていたが、2025年に同目標を5年間前倒しして達成している。現在、市中のガソリンスタンドでは、消費者がエタノール混合率を選択してガソリンを購入することはできず、販売されているガソリンは基本的にE20に一本化されている。自動車メーカー各社は2023年以降、E20対応を明確に打ち出している一方で、それ以前に製造された車両については、公式にはE20対応製品として位置付けられていないものが多い。
バイオエタノールの安定確保に向けて、インド政府は原料構成の多様化を進めてきた。2010年代にはサトウキビの製糖過程で発生するモラセスに依存していたが、2023年度(2023年4月~2024年3月)時点ではトウモロコシが39.6%、Bモラセス(製糖過程の中間段階で得られる糖蜜)が23.4%、破損穀物が17.4%、サトウキビ搾り汁が10.4%、Cモラセス(製糖過程の最終段階で残る糖蜜)が9.2%などの構成比になっており、穀物の占める割合が拡大している。しかし依然として、砂糖製造と競合するサトウキビや、家畜用飼料と競合するトウモロコシ、穀物といった第1世代バイオエタノール原料が大部分を占めることから、原料の安定供給の面で課題が残るとみられる。
(丸山春花)
(インド)
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