2026/2027年度予算案、税制改革とエネルギー安全保障を柱に

(オーストラリア)

シドニー発

2026年06月08日

オーストラリア連邦政府財務省は5月12日、2026/2027年度(2026年7月1日~2027年6月30日)の予算案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。同年度の歳入は、前年度比5.0%増の7,981億オーストラリア・ドル(約90兆1,853億円、豪ドル、1豪ドル=約113円)、歳出は5.3%増の8,296億豪ドルとなり、財政収支は315億豪ドルの赤字が見込まれている。

連邦政府は今回の予算案について、「強靱(きょうじん)性と改革(Resilience and Reform)」と題し、住宅供給の拡大やエネルギー安全保障の強化、生活費負担の軽減、国防・安全保障、人材・技能政策などを重点分野とした。

住宅分野では、供給拡大に向けた税制改革が打ち出された。投資用不動産の損失を給与所得などと相殺できる「ネガティブ・ギアリング」制度について、2027年7月以降、原則として中古住宅への適用を制限し、新築住宅に限定する。また、不動産売却益に課されるキャピタルゲイン税(CGT)については、現行の50%軽減措置を廃止し、取得原価をインフレ調整方式(注)へ移行するほか、実質的なキャピタルゲインに対して最低30%の税率を適用する予定だ。

エネルギー分野では、148億豪ドル規模の「オーストラリア燃料強靱化パッケージ(Strengthening Australia’s Fuel Resilience Package)」を通じて、燃料の最低備蓄義務の緩和や供給インフラの整備を進める。さらに、2027年7月から液化天然ガス(LNG)輸出業者に対し輸出量の20%相当を国内市場に供給させる「国内ガス留保制度(Domestic Gas Reservation)」の導入方針を示した。

税制面では、2027/2028年度から、年間250豪ドルの税額控除を導入するほか、2026年7月から所得税率16%区分を15%に、翌年度には14%へ引き下げる計画を示した。加えて、一定条件の下での業務関連費用について、1,000豪ドルの即時控除制度を導入する。

産業政策では、「フューチャー・メード・イン・オーストラリア(2024年4月22日記事参照)」を引き続き推進し、重要鉱物、再生可能エネルギー、先端製造業などへの国内投資の促進を図る。一方で、水素支援策「Hydrogen Headstart(2025年7月18日記事参照)」については、第2ラウンドの支援規模を縮小するなどの見直しが行われた。政府はこうした措置を通じ、エネルギー安全保障や燃料供給体制の強化といった分野を優先する姿勢を示した。

(注)取得時の物価水準を考慮し、取得原価を現在価値に補正した上で課税所得を算定する方式。

(ストーリー愛子)

(オーストラリア)

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