中国国務院常務会議、「全国統一大市場」建設推進の取り組みを発表
(中国)
北京発
2026年06月05日
中国の国務院常務会議は5月21日、「全国統一大市場の建設は、新たな発展構造の構築および質の高い発展の推進に不可欠である」と指摘し、それに向けた取り組みを発表した(注)。主な内容は次のとおり。
(1)財産権保護、市場参入、公正な競争、社会信用、市場退出に関わる制度の整備。
(2)市場インフラのハイレベルな連携による社会全体の物流コスト削減。
(3)重点分野における市場統合の成果の横展開による国民・企業の実感向上。
(4)「全国統一大市場」を阻害する障壁およびボトルネックの除去。
国家発展改革委員会マクロ経済研究院の張林山研究員は、これらの取り組みについて次のとおり解説した。
(1)について、制度整備のさらなる推進により、公平な競争環境を構築し、全国統一大市場建設を制度面から後押しする。
(4)について、地域、業種、市場間の障壁を打破することは、資本や労働力などの生産要素の自由な流動と資源の効率的な配分を促進する上で有効である。また、強大な国内市場の建設を加速する過程で、世界中の優れた資源や資本、労働力などを引き寄せ続けることが、中国の国際協力・競争における新たな優位性の形成につながるとした。
全国統一大市場に向けた法執行特別キャンペーンも実施
全国統一大市場について、国家市場監督管理総局は5月から12月にかけて、統一市場・公正な競争を阻害する障壁・ボトルネックを除去する特別キャンペーンを実施すると発表した。
国家市場監督管理総局競争協調司の汪世忠司長は、同キャンペーンの目標について、「2026年末までに(1)法に基づき重大案件を捜査・処理する、(2)全国統一市場・公正な競争を阻害する政策措置の廃止・改正を推進する、(3)典型的事例を摘発・公表する、(4)制度・仕組みの整備を加速する」と述べた。
また、汪司長は同キャンペーンの内容について、「企業の公正な市場参入・自主的経営を妨げる行為」「商品や生産要素などの自由な流通を制限する行為」「資格認定における内外差別な行為」「不当な信用評価を行い、入札・調達における隠れた障壁を設ける行為」の4つのボトルネックに対し重点的に取り組み、市場競争への不当な介入は法に基づき厳格に是正するとした。
(注)中国共産党中央委員会と国務院は2022年4月10日、「全国統一大市場の建設加速に関する意見」を発表した(2022年4月20日記事参照)。中国の「全国統一大市場」の建設は、地方保護主義や市場分断を打破し、制度・規則・市場インフラを全国で統一して、商品や生産要素の自由な流通と公平競争を実現し、効率的で強大な国内市場を形成する政策である。政府はこれを「新発展構造(双循環)の基礎的支柱」と位置付け、国内循環の円滑化と内需拡大を支える制度的基盤とする。第15次5カ年規画においても、主要目標と重点分野の一つに位置付けられており、初年度の立法計画として「全国統一大市場の建設条例」の制定を予定している(2026年5月18日記事参照)。
(蔣春霞)
(中国)
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