北京市、「全国統一大市場」の建設に向けた2026年の業務要点を発表

(中国)

北京発

2026年05月18日

北京市発展改革委員会と北京市場監督管理局は5月6日、「北京市における全国統一大市場に参入・貢献するための2026年の業務要点」を発表した(注1)。

業務要点では、中央政府が掲げる「全国統一大市場」の建設に向け(1)統一的な市場基盤制度の強化、(2)統一的かつ効率的な市場インフラの整備、(3)統一的な行政基準の実施、(4)統一的な市場監督・法執行の推進、(5)統一的な生産要素・資源市場の育成、(6)ハイレベルな対内開放・対外開放の継続的な拡大の6つの分野で計36項目の改革措置を挙げている。

(1)について、市場参入、知的財産権保護、公正競争、信用システムの面で次の措置を推進するとした(注2)。

  • 全国統一の市場参入ネガティブリスト(2025年5月1日記事参照)による管理モデルを厳格に実施する。
  • 人工知能(AI)、集積回路、バイオ医薬品などの重点分野における科学技術成果の保護を継続的に強化し、知的財産権の質権設定登記に関する運用ガイドラインを発表する。
  • 重要政策措置の公正競争審査に関する合同審査業務暫定弁法(注3)を改正し、重点分野における公正競争審査の抜き打ち検査を強化する。
  • 信用失墜情報の分類管理を実施し、統一的かつ規範化された、連動・共有可能な信用回復制度をさらに構築・整備する。

(3)について、行政許可事項リストを見直し、名目を変えた審査・承認を防止するとした。また、入札評価専門家データベース制度を改正し、遠隔地での入札評価を推進するとした。さらに、違法な調達に対する特別取り締まりキャンペーンを実施するとした。

(4)について、一括検査制度を深化させ、企業の負担を軽減するとした。また、食品安全の全工程をカバーするデジタルプラットフォームの構築を開始するとした。さらに、企業関連の違法な費用徴収に対し、特別取り締まりキャンペーンを継続的に実施するとした(注4)。

また、北京市発展改革委員会の担当者は2026年の業務要点について、「質の高い発展」をテーマとし、改革措置を効果的に活用し、重点的かつ困難な課題に特化し、全国統一大市場の建設に向けた実施メカニズムを整備し、北京市の首都機能や国際市場と結びつける役割を発揮すると解説した(「北京商報網」5月6日)。

なお、北京市統計局は4月20日、2026年第1四半期(1~3月)の北京市の実質域内総生産(GRP)成長率は5.9%だったと発表した。同局は北京市の第1四半期の経済について、良好なスタートを切ったと説明した。

(注1)「全国統一大市場の建設加速に関する意見」(2022年4月20日記事参照)を実施するため、北京市は2023年7月21日、「北京市における全国統一大市場の建設加速に関する意見の実施プラン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した(北京市人民政府ウェブサイトへの掲載日は2023年7月24日)。その後3年連続して年間の業務要点を発表し、多くの改革措置を実施している。

(注2)北京市の国民経済と社会発展の第15次5カ年規画(2026~2030年)では、内需拡大へ注力し、新たな発展構造へ積極的に参入・貢献するとした。このうち、全国統一市場の構築に貢献するため、財産権保護メカニズムの強化、公正な競争秩序の維持、社会信用システムの整備などを進めるとした。

(注3)北京市市場監督管理局などの5部門は2023年12月4日、「北京市重大政策措置公平競争審査合同審査業務暫定弁法」を発表した。弁法は2024年1月1日から施行されている。

(注4)このほか、越境EC小売り輸出における税関区域をまたぐ返品管理モデルの検討、付加価値型電気通信・医療分野の対外開放拡大に向けたパイロット事業の推進などが盛り込まれている。

(蔣春霞)

(中国)

ビジネス短信 667c228c3762af9b