バクー・トビリシ・カルス鉄道が正式に開通

(アゼルバイジャン、ジョージア、トルコ、アルメニア)

調査部欧州課

2026年06月08日

アゼルバイジャンのバクー、ジョージアの首都トビリシ、トルコの北東部のジョージアおよびアルメニア国境に近いカルスを結ぶバクー・トビリシ・カルス(BTK)鉄道が6月2日に正式に開通した(ジョージア経済・持続的発展省発表、6月2日)。開通式典がジョージアのアハルカラキ国際駅で行われ、同国のイラクリ・コバヒゼ首相、鉄道が通過する3カ国の運輸閣僚のほか、アルメニアの領土行政・インフラ相、カザフスタン、ウズベキスタンの関係者も出席した。

BTK鉄道は2017年に開通したが「試験運行」とされ、ジョージア国内の区間がボトルネックとなっていた(2024年3月29日記事参照)。2023年5月から2024年5月にかけて同国内のマラブダ~カルツァヒ区間で鉄道の改修および新設が行われた(2024年5月24日記事参照)。2026年5月にバクーでアゼルバイジャン、ジョージア両政府が同区間の改修に関する調整評議会に関する議定書を署名し、BTK鉄道全区間の本格的な運行開始が確認された。

式典においてジョージアのマリアム・クブリビシビリ経済・持続的発展相は、「BTK鉄道の本格運行開始は、ジョージア、アゼルバイジャン、トルコだけでなく、地域全体や中央アジアにとっても重要な出来事」と述べた。年間輸送能力がこれまでの100万トンから500万トンに増加する。2017年に試験運行が開始されて以来、180万トン以上の貨物が輸送された。コバヒゼ首相は「貨物輸送量は明らかに増加傾向を示している」と指摘、クブリビシビリ経済・持続的発展相も「2025年のBTK鉄道によるコンテナ輸送量は前年比で6倍に増加した」と述べた。

国際専門家クラブ「EurAsiaAz」のセイムル・ママドフ代表は、「ジョージアの区間におけるボトルネックが原因で、このルートは本来の能力を十分に発揮できなかったが、この制約が解消された」と開通の意義を述べた。式典の中で最も注目すべき点として、アルメニアの領土行政・インフラ相の出席を挙げた。ジョージアが輸送分野でアルメニアとの協力関係を深める用意があると明言したところ、アゼルバイジャンは否定的な反応を示さなかったという経緯に触れ、「アルメニアとアゼルバイジャンの関係正常化の中で、地域内の連結性が強化され、アルメニアが地域協力の恩恵を実感すれば、対立の論理は弱まる」とみている(「News.Az」6月4日)。

(浅元薫哉)

(アゼルバイジャン、ジョージア、トルコ、アルメニア)

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