中東情勢受け供給網リスクを議論、東アジアビジネスフォーラム
(ASEAN、マレーシア、インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、東ティモール)
ジャカルタ発
2026年06月12日
ジェトロ、日本商工会議所・東京商工会議所、東アジアビジネス評議会(EABC)は5月26日、「東アジアビジネスフォーラム」を開催した。「地政学動乱を生き抜く供給網戦略:RCEP活用によるリスク分散と域内連携の深化」と題したフォーラムで、中東情勢の緊迫化を背景に、エネルギー、物流、食料安全保障を含む供給網リスクへの対応について、ASEAN+3(日本、中国、韓国)の産業界関係者が意見を交わした。
EABCのジェイ・ユバロス議長は、地政学的緊張や供給網の混乱、エネルギー・安全保障上の課題、技術の分断、国際貿易を巡る不確実性が高まっていると指摘し、東アジアのビジネス界には協力と連携を進める力があると述べた。
パネル討議では、ASEANビジネス諮問評議会(ASEAN-BAC)フィリピン2026のアンソニー・パトリック・チュア事務局長が、「フィリピンでは燃料価格、電力コスト、輸送費、食品価格、製造業の競争力に影響が及んでいる」と述べた。また、「(今回の中東情勢への対応は)エネルギー問題であると同時に食料安全保障の問題でもあり、燃料、肥料、食料の『3F』が懸念事項となっている」と強調した。さらに、エルニーニョや台風などの気象要因も重なり、中小零細企業(MSME)や消費者への負担が増していると指摘した。
三菱ケミカルグループ執行役員・チーフサステナビリティオフィサーの三田紀之氏は、「半導体、自動車、医療、建設資材など幅広い製品分野に影響が及んでいる」と指摘し、柔軟な供給網、自由貿易、政策の透明性、日本・ASEAN間の協力の重要性を挙げた。エネルコンアジアのアズハル・オスマン会長は、危機に備えたエネルギー備蓄や政府・企業間の情報共有の取り組みを紹介した。タイ貿易院のクライシン・ウォンスラクライ副事務局長は、「燃料価格上昇が製造コストや消費者生活に影響し、EV(電気自動車)販売の伸びにもつながっている」と指摘した。
ビジネスフォーラムの様子(ジェトロ撮影)
(注)同フォーラムでは、供給網リスクへの対応を踏まえ、RCEP(地域的な包括的経済連携)を通じた域内連携も議論された(詳細は、2026年6月12日記事参照)。
(大滝泰史、ティアラ・ダルマシャンティ)
(ASEAN、マレーシア、インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、東ティモール)
ビジネス短信 cfca1663e8419cf8





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