第1四半期のGDP成長率は前期比0.3%、前期から鈍化
(オーストラリア)
シドニー発
2026年06月11日
オーストラリア統計局(ABS)は6月3日、2026年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率が前期比0.3%(前期:0.9%)と発表した(注)(添付資料表1、表2参照)。また、前年同期比では2.5%だった。ABSは、家計および公共部門の支出が低調だったことに加え、サイクロンの影響により鉱業および輸出活動が押し下げられたことが、当期の成長鈍化の主因と分析した。
需要項目別にみると、国内総固定資本形成のうち民間投資は前期比6.0%増となり、中でも機械設備投資は16.3%増と大幅な伸びを示した。ABSによると、ニューサウスウェールズ州およびビクトリア州におけるデータセンターの拡張を背景に、過去30年間で最大の伸びとなった。ただし、これら設備の多くを輸入に依存していたことから、GDP成長への寄与度は限定的となった。民間最終消費支出は、政府補助の終了(2023年1月16日記事参照)に伴う家計負担の増加などを背景に、0.5%増加した。一方、政府最終消費支出は0.2%減となり、2022年第3四半期以来の低水準となった。内訳として、連邦政府支出は防衛関連支出の減速により伸びが鈍化し、州政府支出は電力料金補助の終了を受けて0.8%減少した。財貨・サービスの輸出入は、輸出が石炭および鉱石の減少を主因として、1.1%減少した。一方、資本財輸入の増加を背景に、輸入は2.1%増加した。
産業別にみると、エンジニアリングおよびIT関連サービスの成長により、専門・科学技術サービス業が前期比1.6%増と最も高い伸びを記録した。主要産業である鉱業は、1.5%減少した。サイクロンの影響により石炭採掘が8.1%減と大幅に落ち込んだほか、悪天候による突発的な操業停止などの影響が広範に及び、鉱業関連サービス(3.3%減)、および石油・ガス(1.2%減)がいずれも減少したことに起因する。
ジム・チャルマーズ財務相は、同日付のプレスリリース
で、「当期の結果は、厳しい世界経済環境の中にあってもオーストラリア経済の強靭(きょうじん)性を示すものであり、特に民間投資が成長を下支えした」との認識を示した。
(注)金額は全て季節調整済みの数字。
(ストーリー愛子)
(オーストラリア)
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