香港、海運・現物商品取引向けに新たな税制優遇措置案を発表

(香港)

香港発

2026年06月19日

香港特別行政区(以下、香港)政府は6月10日、「2026年税務(改正)(海運関連活動および現物商品取引に対する税制優遇措置)法案」(以下、改正案)を発表した。海運関連分野向けの税制優遇を拡充するほか、現物商品取引に対する利得税(法人税)の半減措置も新たに導入する予定だ。

改正案は、「税源浸食と利益移転(BEPS)2.0」のグローバル税源浸食防止(GloBE)ルールへ(注1)の対応を円滑化するための措置だ(注2)。香港政府は、海運関連企業向けの優遇税制について、新たな選択肢として15%の軽減税率の導入を提案した。これにより、香港で事業を行う多国籍企業グループにおいて、BEPS2.0への対応に伴う複雑な税額計算のためのコンプライアンスコスト削減が見込まれる。

また、海運業界の発展促進のため、現物商品取引に対する利得税率の半減措置(8.25%)の導入も提案した。なお、同措置にも15%の軽減税率の選択適用が可能とした。

香港運輸物流局報道官は、改正案について、香港独自の優位性を明確にし、国際的な海運拠点となるビジョンの実現に向けた前進の中で、香港経済に大きな新規成長をもたらすと述べた。

改正案は、6月12日に官報に掲載され、同月24日に立法会(日本の国会に相当)へ提出される予定だ。

(注1)BEPSとは、多国籍企業が当該企業の活動実態と各国・地域の税制や国際課税ルールとのずれを利用し、低課税の国・地域に所得を移転することで、各国・地域の税源が浸食されることなどを指す。これによる課税逃れを防ぎ、国際課税ルールの透明性と公平性を高めることを目的に行動計画を策定している。「BEPS2.0」では、グローバル税源浸食防止(GloBE)ルールによってグローバル・ミニマム課税を導入。2025年以降、課税対象となる多国籍企業の実効税率が最低税率(15%)に満たない場合、当該国・地域の政府より最低税率までの追徴課税(トップアップ税)が課されることとなった。

(注2)香港の税制については、ジェトロウェブサイト(香港:税制)を参照。

〔黄莃倫(ケリー・ウォン)〕

(香港)

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