決まらぬ次期ペルー大統領、現政権関係者と産業界からは政策継続性の注文
(ペルー)
リマ発
2026年06月15日
ペルー大統領選挙は6月7日に決選投票が実施され、開票作業が続いている(2026年6月8日記事参照)。開票結果は出ていないが、現政権関係者と産業界から次期大統領に政策の継続性を注文する声が出ている。
製造業で構成され発言力を有するペルー工業協会(SNI)が6月11日に開催した式典に登壇したホセ・バルカサル大統領は、決選投票の集計でケイコ・フジモリ候補とロベルト・サンチェス候補が接戦になっていることを踏まえ「国が分断される状況になっているのは、これまでの政府の取り組みが貧困削減につながっていなかったからだ。汚職対策、教育の充実、若者の雇用機会創出に取り組むことで国が発展する」と述べた。
次期大統領に貧困削減対策を求めるバルカサル大統領(ジェトロ撮影)
セサル・キスペ生産相は、「2026年7月28日に新政権が発足する。われわれ現政権閣僚はまもなく去る立場だが、製造業は前進し続けなくてはならない。製造業が経済成長のエンジンであり、その役割が変わることはない。次期政権でも法的安定性が確保され、企業投資が拡大し製造業の国際競争力が高まることを願う。政府と製造業との対話とコンセンサスにより政策が進められ、生産省が取り組んでいる工業団地整備や貿易統一窓口システム(VUCE)のデジタル化推進が継続されることを期待する」と述べた。
政策の継続性を期待するキスぺ生産相(ジェトロ撮影)
SNIのフェリペ・カジャオ会長は「ペルーは中南米地域でも有数の安定的な成長をとげた国だが、ペルーの企業経営者が期待しているレベルには達していない。2025年の実質GDP成長率は3.4%だったが、貧困削減のためには5.0%以上を目指さなくてはならない。中央銀行はこれまで独立性が確保され、為替の安定などでペルー企業を支えてくれた。鉱業と製造業はペルー経済の柱であり、発展のために政府と企業関係者の対話が必要な時期にある。次の大統領には、経済モデルを変えることなく、任期である5年間継続的な政権運営をしてほしい」と述べた。
サンチェス候補は、憲法と鉱業関連法制度の改正を訴えている。また、選挙運動の当初は中央銀行の総裁と幹部を入れ替えると主張していたが、その後、軌道修正して維持すると発言している。カジャオ氏の発言には、サンチェス氏を牽制する狙いがあったとみられている。ペルーの大統領の任期は5年間だが、2016年以降9人の大統領が就任している。
次期大統領に経済モデルの維持を求めるカジャオSNI会長(ジェトロ撮影)
(石田達也)
(ペルー)
ビジネス短信 ae1fb88b38677dd5





閉じる