米GM、電力網向け次世代ナトリウムイオン電池セル開発でピーク・エナジーと提携を発表
(米国)
シカゴ発
2026年06月15日
米国自動車大手のゼネラルモーターズ(GM)は6月9日、低コスト蓄電システムのスタートアップであるピーク・エナジー(本社:カリフォルニア州)と、電力網規模のエネルギー貯蔵システム(ESS)向け次世代ナトリウムイオン電池セル(注)の開発で提携したと発表した。
GMの今回の動きは、全米各地でのデータセンターの建設ラッシュなどによって電力供給需要が急増する中で、自動車メーカーがESS分野での投資を押し進める新たな事例となった。今回の戦略的提携は、稼働率が低い既存の電気自動車(EV)用電池生産工場の余剰生産能力を利用するのではなく、電力網規模の蓄電に特化した次世代電池を大規模に提供することを目標とするのが特徴だ。
同社は、次世代ナトリウムイオン電池技術が、実環境下において長期間にわたり、信頼性が高く手頃な価格の電力を供給することに適しており、今後数年間でナトリウムイオン電池が電力網規模のESSにおける決定的な化学組成になるとしている。同社は、ミシガン州ウォーレンのウォレス・バッテリー・セル・イノベーション・センターにおいて、2026年中に定置型蓄電専用に設計されたナトリウムイオン電池セルの試作を行う計画だ。
米国では、電力網規模でのエネルギー貯蔵の需要が急速に高まっており、2026年3月には、GMとLGエナジーソリューションとの合弁会社であるアルティウムセルズが、テネシーのEV電池工場で生産設備を再整備し、ESSリン酸鉄リチウム(LFP)電池セルの生産を2026年第2四半期に開始すると発表している。また、2026年5月には、米国自動車メーカー大手のフォードも完全子会社フォード・エナジーを設立し、ケンタッキー州グレンデールのEV電池工場で製造した蓄電システムをデータセンターのような大規模な産業・商業分野の顧客向けに提供すると発表している(2026年5月14日記事参照)。
さらに、2026年6月には、パナソニックエナジーがカンザス州のEV用リチウムイオン電池工場の生産ラインを一部活用し、2028年度にデータセンター向け電池セルの量産を開始する計画だと発表している(ロイター6月8日)。
(注)ナトリウムイオン電池は、希少なリチウムの代わりに地球上に豊富に存在するナトリウムを使用する。安全性が高く耐久性に優れ、寒冷地での動作の低下が少ないが、リチウムイオン電池と比較するとエネルギー密度が低い。
(星野香織)
(米国)
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