米税関、デミニミスルール無期限停止の暫定最終規則を発表、トランプ政権の措置を制度化

(米国)

調査部米州課

2026年06月25日

米国税関・国境警備局(CBP)は6月24日、輸入申告額800ドル以下の少額貨物の輸入に対する免税輸入制度の「デミニミスルール」の適用を無期限に停止する暫定最終規則(IFR)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。トランプ政権は2025年以降、行政命令を通じてデミニミスルールの適用を段階的に停止してきていたが、今回の措置はCBPがこれをあらためて制度化したものと位置付けられる。

今回CBPは、輸入申告額800ドル以下の(1)国際郵便ネットワークを通じた輸入品外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、(2)他の輸送手段を通じた輸入品外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに対するデミニミスルールの適用停止を規定した2本のIFRを官報に公示した。国際郵便を通じた輸入品に対するIFRは7月24日に発効する。他の輸送手段を通じた輸入品に対するIFRは6月24日に発効する。以降に通関する輸入申告額800ドル以下の輸入品は、電子申請システム(ACE)を利用した輸入申告書類の提出が必要となり、輸入品の原産国の申告のほか、適切な関税などを支払わなければならない(注1)。CBPはIFRについてそれぞれ7月24日までパブリックコメントを募集する。CBPはコメントを踏まえて最終規則(FR)を策定する。

また、CBPはデミニミスルールの適用停止と合わせて、輸入申告額2,500ドル以下の国際郵便を通じた輸入品を対象に、ACEを利用した新たな略式電子申告形式「エントリータイプ13」(注2)の試験運用を開始すると発表した。6月24日付の官報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで公示した。試験運用は9月22日に開始する。

ドナルド・トランプ大統領は2025年8月に、全世界に対してデミニミスルールの適用を停止する大統領令を発令した(2025年8月1日記事参照)。また、トランプ大統領は2026年2月に、輸入申告額800ドル以下の国際郵便を通じた輸入品に対して1974年通商法122条に基づく10%の課徴金を課す大統領令を発令した(2026年2月24日記事参照)。CBPは今回の措置について、「これらの大統領令の政策目標に沿ったもの」としつつ、「CBP独自の法定権限に基づき規則を制定した」と強調している。トランプ大統領のデミニミスルールの適用停止の大統領令については撤回を求める訴訟が起こされているが、今回のCBPの規則制定により、デミニミスルールの適用停止は司法の裁定によらず維持されることになるとみられる。ただし、通商専門誌インサイドUSトレード(6月23日)は、「トランプ政権が裁判で敗訴した場合、CBPが今回の措置を講じる前に米国に輸入した貨物については、関税が還付される可能性は依然として残っている」とも指摘している。

(注1)ただし、100ドル以下の贈答品、個人手荷物などを除く。

(注2)登録輸入業者(IOR)が以下の12項目の情報を提出することが求められる。(1)申告者コード、(2)IOR番号、(3)貨物の説明、(4)原産国、(5)該当する10桁の米国関税分類番号(HTSコード)なお、HTSコード第1章から第97章までの主要分類に加え、第98章および/または第99章の該当する二次分類を含む、(6)特定の関税が適用される場合の数量および重量、(7)関税率、(8)価額、(9)納付する関税の総額、(10)運送業者名、(11)海外の郵便事業者が発行した追跡番号、(12)到着港。

(葛西泰介)

(米国)

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