外資系スタートアップなどが千葉大学で講義、グローバルなキャリアを学生に語る
(日本)
イノベーション部ビジネスデベロップメント課
2026年06月12日
千葉大学とジェトロは5月20日と27日、「対日投資の現状と外資系企業の実例」と題した講義を同大学西千葉キャンパスで実施し、各回で約30人の学生が参加した。本講義は、同大学とジェトロの包括的連携推進協定に基づき開講された。外資系企業から講師を招き、日本における事業展開や海外本社との関わり、講師自身のキャリアなどを紹介した。
5月20日の講義では、3Dマッチング技術(注1)を搭載した人工知能(AI)セルフレジを提供する韓国発スタートアップ、ファインダーズAIジャパン代表取締役の李知珉氏が登壇した。日本・韓国・米国と国境を越えてグローバルなキャリアを築いてきた同氏は「世界における日本企業の競争力向上のためには、学生一人ひとりが起業家精神を持ち、AIが発展した現代においても海外で多様な人や文化に触れることが重要」と述べた。講義の終わりには、AIセルフレジを同大学に導入することの実現可能性が講師から問われ、学生はこの課題を通じて、同社の実際の事業の一端を体験した。
ファインダーズAIジャパンによる講義の様子(ジェトロ撮影)
5月27日の講義では、ボーイングジャパン人事の竹秀顕氏と竹澤紗和子氏が登壇した。両氏は、需要が拡大する航空機製造事業において、日本企業が持つ高精度な技術は同社の航空機製造に必要不可欠であることを説明し、外資系企業にとって日本企業との連携が重要であることを述べた。また、講師自身が複数の外資系企業で積み上げたキャリア、経験を踏まえ、外資系企業では職務や機能を重視する組織構造が特徴であることや、主体的に行動できる人材が特に求められると語った。
ボーイングジャパンによる講義の様子(ジェトロ撮影)
本講義を担当する崎山直樹准教授は「外資系企業の現場で働く人の話を学生が直接聞くことで、キャリアの可能性を広げ、ビジネスパーソンの多様なマインドを知ることができる」と話した。参加した学生からは「(外資系企業においては)多国籍で異なる価値観を持つ上司と働く環境であることが理解できた」といった感想のほか、「大学生協(学食)の運営に関わっており、講義で紹介された技術を導入できれば、運営改善につながるかもしれない」など、学生自身の活動に結びつけた声も寄せられた。
ジェトロが2026年2⽉に公表した「2025年度外資系企業ビジネス実態調査」(注2)によると、⽇本のビジネス環境の課題として、4割超の企業が⼈材確保に苦戦していることが明らかになっている。こうした状況を踏まえ、国内大学と連携したキャリア関連支援などを通じて、外資系企業をキャリアの選択肢として捉える人材の裾野を広げることで、中長期的に人材獲得難の緩和につながることが期待される。
(注1)複数のカメラを用いて商品を360度から認識し、形状や特徴を立体的に把握するAI画像認識技術。
(注2)ジェトロが2025年9~10月に、日本国内に拠点を置く外資系企業7,698社を対象にアンケート調査を実施。
(伊藤佳奈子、カーエミリーありさ)
(日本)
ビジネス短信 7d879079012239cd





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