雇用パス制度改正に伴う現地人材への継承計画、提出義務付けを延期

(マレーシア)

クアラルンプール発

2026年06月01日

入国管理局駐在員サービス部門(ESD)は5月26日、雇用パス(EP)改正の柱の1つである、現地人材への継承計画の提出について、義務付けの開始時期を2027年1月1日に延期すると発表した。EPは、駐在員向けの就労ビザで、2026年6月1日から最低月給などの条件が改正される(2026年1月29日記事参照)。今回の制度改正により、EPのカテゴリーIIまたはIIIに該当する場合(注)、現地人材への継承計画の提出が求められる予定だったが、本要件の施行が延期されることになった。

ESDが公表するFAQPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、同継承計画は、雇用主が作成する体系的な計画書で、駐在員の在任期間中に、現地の従業員が駐在員から役割を引き継ぐために作成するものと定義される。現地人材に継承する役割、責任を明確にし、企業が円滑な事業運営を維持するための人材育成計画を盛り込むことが想定されている。しかし、本稿執筆時点で、これ以上の詳細は不明だ。現在、人的資源省を中心に、ガイドラインや計画書のテンプレートを策定中であり、2027年1月の施行に向けて、これらの発表が待たれる。

継承計画提出は日系企業駐在員の約7割が対象、アンケート調査結果

マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)とジェトロが実施した、進出日系企業を対象とした共同アンケート調査(実施時期2026年2月6日~3月5日、有効回答数208社、回答率37.0%)によると、回答企業におけるEPの給与別の保有者を6月1日以降の新たな雇用パスのカテゴリーに当てはめると、約7割がカテゴリーIIまたはIIIの給与水準にあり、現地人材への継承計画の提出が求められる見通しだ。

なお、同調査では、日本人駐在員の就労に関して「問題を感じている」との回答は73.1%に上った(前年調査では26.5%)。また、現地人材の登用における課題・懸念として、半数近くの企業が「本社経営方針・規則の理解・順守」や「マネジメントスキルの習得」と回答したほか、製造業では4割超が「品質要求を満たすエンジニア/専門職の採用・育成」を挙げた。

(注)雇用パスにはカテゴリーI~カテゴリーIIIがあり、それぞれ最低月給や雇用期間、家族帯同・メイド雇用の可否などの要件が規定されている。

(山口あづ希)

(マレーシア)

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