チリ中央銀行、2026年の成長見通しを1.0~1.75%へ下方修正、インフレ予測は4%超に上振れ
(チリ)
サンティアゴ発
2026年06月18日
チリ中央銀行は6月17日、金融政策報告書(IPoM)を公表し、2026年の実質GDP成長率見通しを1.0~1.75%へと引き下げた。前回2026年3月のIPoMでは1.5~2.5%と予測していた(2026年3月26日記事参照)。第1四半期(1~3月)の経済活動が予想を下回ったことや、銅鉱業や農林水産業など天然資源部門の不振が主因としている。
投資の弱さも顕著で、総固定資本形成の伸び率見通しは4%から2.2%へと大幅に下方修正された。内需は全体として大きな修正はないものの、家計消費の伸びは雇用や実質所得、消費者心理の弱さを背景に鈍化している。
2026年末のインフレ率予測は4.2%と、前回予測(4%)から上方修正された。中東情勢の緊張による原油価格上昇が燃料費を押し上げ、足元の物価上昇を主導している。もっとも、インフレ率は2027年第2四半期(4~6月)には3%近辺へ収束するとの見方は維持された。
外部環境については、ホルムズ海峡を巡る混乱を背景に原油価格が一時1バレル110ドルを超えたものの、その後は80ドル弱まで低下したことに触れたが、紛争の継続に伴う不確実性は依然高く、供給制約のリスクも残ると指摘した。こうした外部ショックは為替や資本フローにも影響を及ぼす可能性がある。
民間エコノミストの間でも、成長見通しの下振れは共通認識である。チリのシンクタンク、OCEC-UDPのバレンティナ・アパブラサ氏は「成長率は1.25~2%程度に調整され、平均1.6%前後になる可能性が高い」と指摘する。金融機関ユーロアメリカのエコノミストであるフェリペ・アラルコン氏も、1.0~1.75%の低成長シナリオを想定している。
金融政策では、政策金利(MPR)は4.5%に据え置かれた。専門家の多くは、インフレの上振れリスクと景気低迷が併存する状況を踏まえ、中央銀行は当面慎重姿勢を維持し、金利を長期にわたり据え置く可能性が高いとみている。
(橋爪優太)
(チリ)
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