ASEAN、デジタル経済枠組み協定の交渉が妥結

(ASEAN、マレーシア、インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、東ティモール)

ジャカルタ発

2026年06月05日

ASEAN高級経済実務者会合(SEOM)は5月30日、ASEANデジタル経済枠組み協定(DEFA)の交渉(注)が妥結したとの議長声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。5月27~29日にフィリピン・マニラで開催された第57回ASEAN SEOM第2回会合で、残されていた交渉上の論点がすべて解決された。DEFAはASEAN初の地域全体を対象とするデジタル経済協定で、今回の妥結はデジタル面で統合され、安全で、相互運用性があり、競争力があり、包摂的な地域経済の実現に向けた重要な節目と位置付けられる。

DEFAを巡っては、2025年10月にASEAN経済共同体(AEC)理事会が交渉の実質妥結を発表し(2025年10月29日記事参照)、2026年の協定の完全妥結と署名に向けた取り組みをDEFA交渉委員会に指示していた。今回のSEOMで残された論点が解決されたことで、2026年11月に開催予定の第28回AEC理事会および第49回ASEAN首脳会議に合わせた署名に向け、交渉プロセスが前進した。

同協定は、デジタル貿易、越境電子商取引、データガバナンスとプライバシー、デジタルID、電子決済、オンラインの安全性とサイバーセキュリティー協力、競争政策、人工知能(AI)などの新興技術、デジタル人材の移動などを対象とする。ASEANシングルウィンドウ、デジタル決済の接続性、越境データ関連の取り組み、オンライン消費者保護、ASEAN統一事業者識別番号(UBIN)など、既存のデジタル統合の取り組みを基礎とする。

ASEANは、DEFAによりデジタル接続性を強化し、オンライン取引への信頼を高め、越境デジタル貿易の障壁を低減することで、あらゆる規模の企業にとってより円滑なデジタル環境を整備するとしている。また、同協定を経済協定にとどまらず、開発と統合のための手段とも位置付け、零細・中小企業(MSME)の参加拡大、開発格差の縮小、デジタル化の恩恵の共有を目指す。ASEANは、現行の成長トレンドで域内デジタル経済が2030年までに約1兆ドルに達すると見込む一方、DEFAの実施により最大2兆ドル規模に拡大する可能性があるとしている。

(注)DEFAの交渉分野や企業対応上の論点については2026年2月16日付地域・分析レポートを参照。

(大滝泰史)

(ASEAN、マレーシア、インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、東ティモール)

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