メキシコ・英国間でCPTPPが発効
(メキシコ、英国)
調査部米州課
2026年06月25日
メキシコ経済省は6月22日、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)が英国との間で発効したことを発表
した。英国は2024年12月までに日本、シンガポール、チリ、ニュージーランド、ベトナム、ペルー、マレーシア、ブルネイ、オーストラリアとの間でCPTPPが発効していた(注1)が、長らくメキシコとカナダは同協定を批准できていなかった。こうした中、メキシコ政府は2026年1月20日に英国の加入議定書を承認する大統領令を発出し、今回の発効に至った。
両国間の自由貿易協定(FTA)としては、CPTPPのほかに、英国のEUからの離脱をきっかけに2021年6月から発効した「継続協定(TCA)」がある。同協定はEUメキシコFTAを引き継ぐ内容となっている。2022年5月には新たなFTAの締結に向けた交渉開始が発表されたものの(2022年5月24日記事参照)、その後目立った進展はなく、2023年11月には両国の合同委員会でEUとの拡張累積(注2)の延長が発表されたのみだ。
英国政府の発表によれば、CPTPPの発効により、英国からメキシコへの輸出においてチョコレートや豚肉などの農産品で従来以上の関税削減効果があるという。また、CPTPPは域内での累積が可能であるため、サプライチェーンの多様化を促進する側面もある。物品貿易以外でも、CPTPPは人の移動や投資・サービスなど幅広い分野での自由化を規定している。
メキシコ中央銀行の貿易データ(2025年)によると、英国はメキシコにとって9番目の輸出先(38億4,200万ドル)、20番目の輸入先(24億5,000万ドル)だ。また、英国からメキシコへの2018~2025年の累計直接投資額は76億7,000万ドルに上り、世界で7番目の水準となっている(注3)。CPTPPの発効により、両国間の貿易・投資のさらなる活発化が期待される。
(注1)CPTPPの議定書では、署名日から15カ月以内に英国および全ての締約国と批准していない場合でも、当該国(この場合は英国)および6カ国以上の締約国との締結後、60日で発効するとされている。この規定に基づき、2024年12月15日に先んじて一部の国との間でCPTPPが発効していた(2024年12月17日記事参照)。
(注2)拡張累積(Extended Cumulation)とは、あるFTAの原産判定において、締約国以外の第三国の原産材料を、同FTAにおける原産材料として扱うことができる運用のこと。メキシコ・英国間の継続協定の場合は、EU産の材料および製造工程を、原産材料として原産判定に組み込むことができる。
(注3)メキシコ経済省外国投資局のデータ。
(加藤遥平)
(メキシコ、英国)
ビジネス短信 6135f27e062b9111





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