米カリフォルニア州の拡大生産者責任法(SB54)を17州が提訴
(米国)
ロサンゼルス発
2026年06月26日
米ネブラスカ州のマイク・ヒルガース司法長官(共和党)は6月22日、全米17州(注1)の司法長官および全米卸売業者・流通業者協会(NAW)と連携
し、カリフォルニア(CA)州が導入した拡大生産者責任(EPR、注2)法「プラスチック汚染防止および包装の生産者責任に関する法(SB54)
」を提訴した。
SB54は、ギャビン・ニューサムCA州知事(民主党)が2022年6月に署名し、成立した(2022年7月15日記事参照)。同法は、包装材や使い捨てプラスチック製品を対象にEPR制度を導入するものだ。CA州の制度では、生産者に対し州が指定した生産者責任組織(PRO)への参加を求めるとともに、廃棄物処理やリサイクルに関わる費用の負担や包装材の削減を義務付けており、それによって包装材やプラスチックの削減、リサイクルの促進を図る。また、2032年までに対象包装をリサイクルまたは堆肥化が可能な設計とすることなどが目標として設定されている。同法に基づく最終規則は2026年5月1日に承認され、今後、段階的に実施される予定だ。
今回の訴訟では、原告側は、同法が州外企業や消費者にも実質的な負担を課し、州境を越えて事業活動に影響を及ぼす(注3)点を主に問題視している。特に、包装材に係るリサイクル費用などを生産者が負担する仕組みが、最終的に製品価格に転嫁され、消費者の負担増につながる可能性があると主張している。ヒルガース司法長官は、「CA州はまだしも、全米に悪影響を及ぼすような政策を導入しようとしている。これを放置すれば、消費者は生活必需品に対してより高い価格を支払わされることになる」と批判した。
一方、CA州内の3つの環境保護団体の連合(注4)も6月2日、SB54の最終規則を提訴している。同連合は、広範な種類のプラスチック包装が無期限の適用除外となっていることや、リサイクル基準が法の内容と整合していない点を指摘し、制度に「抜け穴」があるため十分に効果を発揮しない可能性があると指摘している。
このように、SB54を巡っては、規制の影響や実効性を巡り、異なる立場から訴訟が提起されており、制度設計の妥当性は司法判断に委ねられている。
同様のEPR制度はCA州のほか全米6州(コロラド州、メーン州、メリーランド州、ミネソタ州、オレゴン州、ワシントン州)で導入されており、CA州の制度設計と今回の訴訟の行方は、他州の制度設計や企業の対応戦略にも影響を与える可能性がある。
(注1)原告団にはネブラスカ州のほか、アラバマ州、フロリダ州、ジョージア州、アイダホ州、インディアナ州、アイオワ州、ルイジアナ州、ミズーリ州、モンタナ州、ノースダコタ州、オクラホマ州、サウスカロライナ州、サウスダコタ州、テキサス州、ユタ州、ウェストバージニア州が名を連ねる。
(注2)製品の製造・販売を行う事業者に対し、使用後の廃棄やリサイクルに至るまで物理的・金銭的な責任を負わせる制度。
(注3)SB54では、対象となる生産者がCA州外の企業であっても、同州で対象製品を販売する場合は同法の適用対象となるとしている。
(注4)天然資源防衛協議会(NRDC)、廃棄物に反対するカリフォルニア州民財団(CAWF)、海洋保全団体のオセアナ(Oceana)。
(サチエ・ヴァメーレン)
(米国)
ビジネス短信 5996f4f01a50d772





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