サウジアラビア政府、2026年第4条協議後のIMFの評価を歓迎
(サウジアラビア)
リヤド発
2026年06月08日
サウジアラビア財務省は6月3日、IMFが2026年の第4条協議(注)終了後に公表した同国経済に対する評価を歓迎した。IMFは「2026年第4条協議ミッションを完了」
と題した6月3日付プレスリリース
で、サウジアラビア経済について、強固な経済基盤や潤沢な外貨準備に加え、多様化が進む石油・物流インフラ、さらに同国の国家改革戦略「サウジ・ビジョン2030」に基づく構造改革の継続を背景に、経済面の強靭(きょうじん)性と地域情勢への耐性を有しているとして評価した。
サウジアラビア外務省によると、同プレスリリースは、「同国経済は2025年に実質GDPが4.5%成長した後、2026年初頭も堅調な勢いを維持している。OPECプラスの合意に基づく減産緩和や、内需に支えられた非石油部門の拡大、労働市場環境の改善、インフレ率の2%未満への低下が主因とされる」と指摘した。一方で、地域の地政学的緊張に伴い海上輸送の混乱が経済に影響を与えたが、政府による輸送ルートの見直しや物流円滑化措置の実施により、経済活動の勢いは維持されたとしている。
同プレスリリースは、低水準の政府債務、十分な外貨準備、サウジアラビア政府系ファンドの公共投資基金(PIF)の強固な財務基盤、銀行部門の高い健全性を挙げ、外部ショックへの耐性の高さを指摘した。これらの要因により、マクロ経済および金融の安定性が確保されていると分析した。また、同国政府が支出の優先順位見直しを進めつつ、中期的な財政持続性の確保に取り組んでいる点も評価し、持続可能な成長や経済の多角化、民間部門の拡大に寄与するとした。
さらに、サウジアラビアの金融面について銀行の資本・流動性バッファーの厚さや、中央銀行による流動性・信用状況・資産の質の監視といった監督体制が奏功し、金融システムの安定が維持されていると指摘した。加えて、ビジョン2030の下で進められてきた改革が、統治体制の強化や政策立案の高度化、経済構造の強靭化に寄与し、非石油経済の拡大につながっていると評価した。その上でIMFは、今後も改革の勢いを維持し、経済多角化と民間部門の成長を一段と促進することが中期的な成長確保に不可欠との認識を示した。
(注)IMF協定第4条の規定に基づき、IMFが加盟国を訪問して当該国の経済や金融部門の政策について、調査・評価を実施する。各国政府や中央銀行などと経済の見通しや諸政策、構造改革について協議し、必要な政策調整に関する助言を行う。IMFの「2025年4条協議レポート」については2025年8月26日記事参照。
(林憲忠)
(サウジアラビア)
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