米デトロイトで「ミシガンテックウィーク」開催、起業環境整備の取り組み紹介

(米国)

シカゴ発

2026年06月03日

米国ミシガン州デトロイトで51921日、「ミシガンテックウィーク2026」が開催された。同州における製造業の集積を背景に、起業家との連携、起業環境の整備に向けた取り組みが紹介された。

会場では、企業の投資部門と起業家をつなぐ15分間の個社面談「ライトニング・ラウンド」が行われ、50社超の参加者間で500件超の面談が設定された。また、創業者同士の協働ぶりを評価するピッチコンペティション(注1)では、45人の創業者がチームを組み競った。湖沼・河川など電力網に接続しにくい場所向けのクリーンエネルギーシステムに関する提案を行ったチームが優勝し、10万ドルの賞金が授与された。

写真 ライトニング・ラウンドの様子(ジェトロ撮影)

ライトニング・ラウンドの様子(ジェトロ撮影)

パネルセッションでは、ミシガン州が起業拠点として選ばれる理由や資金調達環境が議論された。ニューヨークで事業を始めたマカ・キッズ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注2)共同創業者兼最高経営責任者(CEO)のイザベル・シャインマン氏は、ミシガン州への移転理由についてスピードやスケールだけでなく、アイデアを解決策に育てるための創造的な余白や、信頼できるコミュニティーがある環境だったと説明した。同社は移転後、州内投資家ネットワークを通じて、6カ月以内に創業初期資金として約300万ドルを調達した。

また企業連携に関するセッションでは、ミシガン州西部グランドラピッズのジェラルド・R・フォード国際空港を実証フィールドとするフライト(FLITE、注3)プログラムが取り上げられた。空港内の案内表示に関する技術実証を行った英国発スタートアップのサイナップス(注4)は、同プログラムを通じて、空港のフライト情報ディスプレーを全国的に管理するコンテンツ管理会社との接点が得られた。今後の顧客獲得や他空港への展開可能性につながったと紹介した。

写真 会場ではミシガン州発ブルーフライト(ミシガン州を拠点とするドローンメーカー。北部ミシガンで医療貨物輸送の実証に取り組む)によるドローン飛行も実演(ジェトロ撮影)

会場ではミシガン州発ブルーフライト(ミシガン州を拠点とするドローンメーカー。北部ミシガンで医療貨物輸送の実証に取り組む)によるドローン飛行も実演(ジェトロ撮影)

会場となった「ミシガン・セントラル」は、旧ミシガン・セントラル駅を中心とするイノベーション地区で、ハードテック分野のスタートアップ支援拠点であるニューラボ(2024年3月28日付地域・分析レポート参照)も入る。同拠点に本社を置く車載サイバーセキュリティー企業ブロック・ハーバー・サイバーセキュリティーは、トレンドマイクロ傘下のヴィックワンから投資を受けている。ヴィックワンは同時に日本市場向けパートナーでもある。今回のテックウィークにて登壇も行った同社のブランドン・バリーCEOは、ニューラボについて、「3Dプリンターや金属加工設備などを備えており、開発に適した環境だ」と述べた。また、モビリティー関連企業が多く存在し、試作機の製作に必要な環境が整うミシガンは事業を広げやすい場所だとの見方を示した。

(注1)起業家が投資家や審査員に事業内容を短時間で発表し、資金や支援獲得を競うイベント。

(注2)0~6歳向けの子供用ストリーミングアプリを開発するスタートアップ。2026年3月にニューヨークからデトロイトに本社を移転した。

(注3)Ford Launchpad for Innovative Technologies and Entrepreneurshipの略。ジェラルド・R・フォード国際空港が、ミシガン経済開発公社などと連携して運営する、空港を実証環境とした新技術の試験導入支援プログラム。

(注4)文章を手話動画に自動変換する人工知能(AI)技術を開発する英国発スタートアップ。

(坂本陽平、武田史織)

(米国)

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