2025/2026年度の穀物生産量が過去最高の見通し
(アルゼンチン)
ブエノスアイレス発
2026年06月08日
アルゼンチンの農牧水産庁は5月22日、2025/2026年度(注)の穀物生産量見通しは前年度比21.3%増の1億6,320万トンで、過去最高を記録すると発表した。同庁は、気象条件および土壌水分が極めて良好だったこと、さらに技術導入の進展および生産者による適切な農場管理が実施されたことが生産量増加の要因だとした。
主要穀物別の内訳をみると(添付資料図1、図2参照)、2025/2026年度のトウモロコシの生産量は前年度比35.4%増の7,000万トンに達する見込みで、過去20年間で最高水準を記録すると同庁が説明した。トウモロコシの作付面積は前年度比23.9%増の1,140万ヘクタールで過去最高の面積に達する。小麦とヒマワリの生産量も過去最高を記録する見通しだ。小麦は、作付面積の拡大に伸び悩むものの生産量では前年度比50.8%増の2,790万トンとなる。ヒマワリは面積も伸び、生産量は同32.1%増の740万トンとなる。他方、大豆の作付面積が前年度比8.9%縮小し、生産量も同2.3%減で4,990万トンにとどまる。
農業系のニュースサイト「ノティシアス・アグロペクアリアス・ドットコム」の記事(5月27日付)によると、アルゼンチントウモロコシ協会が5月27日に開催した会合においてセルヒオ・イラエタ農牧水産長官は、ハビエル・ミレイ政権の政策によって「農業界と国(連邦政府)の関係が改善しつつある」との見解を示した。また、「穀物に課されていた輸出税は引き下げられ(2026年6月5日記事参照)、今や輸出枠や輸出許可の取得制度も存在しない」と説明した上で、「農業およびアグロ・インダストリーはアルゼンチンの経済再建の主要な原動力となっていることは間違いない」と、農業セクターの重要性を強調した。さらに、「競争力の面で未解決の課題が残されている」ことを認めつつも、政府は予算制約がある中で「可能な限りのあらゆることをやっている」とも述べ、現政権のこれまでの取り組みを評価した。
農業団体側からは、「国際価格の高騰など、アルゼンチンの農業にとっては好機が再び到来しているが、この機会を生かすか再び見過ごすのかが問われている」と参加者を鼓舞する発言がなされたほか、「今後の課題は単にトウモロコシなどの生産量を増やすことではなく、それを食肉、乳製品、鶏卵、エタノール、バイオエネルギーなどの産業へと拡大させていくことである」など、次の一手に関する発言もあった。
他方、2026年はエルニーニョ現象の発生の可能性が高まり、農作物への影響が懸念される中、アルゼンチン国家気象庁(SMN)は6月1日、6月から8月にかけて暖冬と降水量の増加の可能性が90%まで高まったと発表した。ロサリオ穀物取引所(BCR)は、スーパーエルニーニョ現象のような極端な状況の可能性は低いと思われるが、エルニーニョ現象に対する対策を考えるべきと呼びかけている。
(注)年度は農作物ごとに期間が異なり、作物の作付けから収穫時期までの12カ月間を指す。
(山木シルビア)
(アルゼンチン)
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