アルゼンチン政府、主要農産品の輸出税率を段階的に引き下げ
(アルゼンチン)
ブエノスアイレス発
2026年06月05日
アルゼンチン政府は6月3日、政令第423/2026号
を公布し、主要農産品の輸出に課税する輸出税率を引き下げると発表した。品目によっては、2028年12月までの段階的な引き下げ方式も導入する。本措置により税収は減少するが、政令の冒頭説明では「財政均衡を維持しつつ、輸出競争力の強化と農産工業の成長促進を図る」のが目的だとしている。
本措置の対象品目は大豆、トウモロコシ、小麦、大麦、グレーンソルガム、ヒマワリおよび関連品のほか、バイオ燃料も含む。対象品目の詳細は同政令の付属書「ANEXO I」「ANEXO II」「ANEXO III」を参照。具体的には、作付けが開始間近の小麦、大麦の輸出税率は7.5%から5.5%へ引き下げられる。政令公布の翌日の施行とした。一方、大豆、トウモロコシ、グレーンソルガム、ヒマワリなどは、2027年から2028年12月末まで段階的に税率が引き下げられる。品目によって税率と引き下げ方法が異なる。例えば、大豆の場合は、2026年は現状の輸出税率24.0%を維持し、2027年1月から12月までは毎月税率が0.25ポイント引き下げられる。2028年の12カ月間は毎月税率が0.50ポイント引き下げられ、2028年12月には15.0%まで引き下がる仕組みだ。トウモロコシやグレーンソルガムの場合は、2026年は現状の輸出税率8.5%を維持し、2027年末には7.5%、2028年末には5.5%まで引き下げられる。また、大豆油を原料とするバイオディーゼルは、現状の21.0%から2028年末には13.0%となり、他方でベニバナ油や菜種油など、大豆油以外を原料としたバイオディーゼルは、即時で0%となる。
6月4日付現地紙「インフォバエ(電子版)」は、アルゼンチン農牧協会(SRA)のニコラス・ピノ会長に政府の取り組みについてインタビューを行った。輸出税の引き下げについてピノ会長は、「個人的には(段階的でなく)すぐにでも税率をゼロにしてほしい」と訴えながらも、政府の方針は理解できるとした。農業の持続的成長には投資促進につながる安定したルールが不可欠であり、為替政策については単一為替レートの導入を前向きに評価し、過去に存在した為替の二重構造が生産者に不利に働いていたと説明した。アルゼンチンの景気動向を批判する声が強まる中、「地方各地では経済活動の活発化が確認できる」とし、農業を軸とした地域経済のダイナミズムを評価した。
(山木シルビア)
(アルゼンチン)
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