グジャラート州で宇宙産業サミット開催、共用インフラ整備や資金供給を加速

(インド)

アーメダバード発

2026年06月18日

インド西部グジャラート(GJ)州で61011日、民間主導の宇宙産業促進を目的としたサミット「インダストリーコネクト」が開催された。主催はインド国立宇宙推進認可センター(IN-SPACe)で、今回が10回目の開催となる。イベントには、ジテンドラ・シン科学技術相およびピユシュ・ゴヤル商工相らが登壇した。

写真 IN-SPACeのパワン・ゴエンカ会長(左)とジテンドラ・シン科学技術相(右)との対談(主催者提供)

IN-SPACeのパワン・ゴエンカ会長(左)とジテンドラ・シン科学技術相(右)との対談(主催者提供)

インドでは、宇宙分野への民間参入を可能にする制度改革の一環として2020年にIN-SPACeが設立されるなど、政策による追い風の下、宇宙産業エコシステムが急速に拡大している。2026年時点で宇宙分野のスタートアップは400社超に達し、累計投資額は5億ドルを超えた。また2026年5月には、ハイデラバードに拠点をおくスカイルート・エアロスペースが約6,000万ドルを資金調達し、インド初の宇宙テック・ユニコーン企業(企業価値10億ドル以上で未上場)となった。

今回のイベントでIN-SPACeのパワン・ゴエンカ会長は、現在、約84億ドル規模のインドの宇宙市場を今後10年で440億ドルに拡大し、世界シェアを7~8%へ引き上げるという野心的な目標を打ち出した。また、宇宙分野の企業支援に関する具体的な取り組みも公表された。主な内容は次のとおり。

  • 設備面では、最先端の共用インフラを備えた「宇宙製造パーク」をGJ州と共同開発する。熱真空試験設備やロケット試験設備などを整備し、宇宙分野のスタートアップや中小企業が共同利用できるかたちで開放予定。
  • 資金面では、2025年に創設された50億ルピー(約85億円、1ルピー=約1.7円)の技術採用基金を通じ、技術成熟度レベル(TRL)を研究段階の3~4から、商用化段階の7~8へ引き上げる支援を行う。同基金の支援対象として、サットシュア、アストロベース、テイク・ミー・トゥ・スペースの3社が認定された。
  • また、IN-SPACeが主な出資者となる100億ルピー規模のベンチャーキャピタル基金「宇宙ベンチャーキャピタル基金(Antariksh Venture Capital Fund)」を通じて、企業の規模拡大や新技術の商用化などの取り組みを支援する。
写真 技術採用基金の支援対象となった、サットシュア、アストロベース、テイク・ミー・トゥ・スペースの3社(ジェトロ撮影)

技術採用基金の支援対象となった、サットシュア、アストロベース、テイク・ミー・トゥ・スペースの3社(ジェトロ撮影)

GJ州は、上記のようにインドにおいて航空宇宙分野の研究開発と産業化に注力している地域の1つだ。IN-SPACeが本部を構えるほか、州政府は2025年4月に、航空宇宙分野の優遇措置や財政支援を盛り込んだ「宇宙技術政策2025-30」を発表している(2025年4月25日記事参照)。また、アーメダバード近郊のコーラジでは、航空宇宙分野の製造拠点誘致が進められている。こうした取り組みを背景に、GJ州はインドにおける宇宙産業ハブとしての役割を強めていくとみられる。

(林田勇太、タヌ・バヤッド)

(インド)

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