フィンランド水素事業、「欧州水素銀行」第3回競争入札で2億2,400万ユーロの支援獲得

(フィンランド、EU、欧州)

ロンドン発

2026年06月08日

欧州委員会は5月7日、「欧州水素銀行」の第3回競争入札の結果、契約交渉に進む9事業を選定したと公表した(2026年5月26日記事参照)。

そのうちの1事業として、フィンランドの再生可能エネルギー企業トゥリアルファ(Tuulialfa)の子会社ベティアルファ(Vetyalfa)のウタヤルビ複合施設の一部であるクラウドベリー(Cloudberry)事業が選定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされた。同事業は、同競争入札が提供する総額約10億9,000万ユーロの助成金のうち、2億2,400万ユーロの支援を受ける。この支援額は、同競争入札の財源であるイノベーション基金(注1)からフィンランドに対して交付される助成金としては過去最大規模となる。助成金の支給は2030年のプロジェクト開始後(注2)に開始されるが、最終的な金額は、承認された各プロジェクトが欧州気候・インフラ・環境執行機関(CINEA)と助成金契約を締結した時点であらためて明らかになる。

ベティアルファ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、フィンランド北部の北ポフヤンマー地方に位置するウタヤルビで年間最大18万トンの水素を生産し、水素をさらに加工し、合成燃料の生産を目指す。また、同社は同競争入札で、10年間で約50万9,000トンの水素を生産する計画を提示していた。生産能力は500メガワット(MW)となる見込みで、同競争入札の選定事業で最大だ。生産するグリーン水素により、10年間で338万トン以上の排出削減を見込む。最大容量で稼働した場合、フィンランド最大の水素経済プロジェクトとなり、貯蔵能力や下流製品によっては、投資額は数十億ユーロ規模に達する見込みだ。

(注1)温室効果ガスの排出削減、再生可能エネルギーの利用促進、エネルギー効率の向上およびエネルギー多消費型産業の排出削減を実現するプロジェクトを支援する基金。EU排出量取引制度(ETS)の収益を財源とする。

(注2)選定された事業は、助成金協定の署名から2年半以内に投資・建設の決定を行い、5年以内に稼働する必要がある。

(バリオ純枝、半井麻美)

(フィンランド、EU、欧州)

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