広州地鉄、海外展開を加速しベトナムとシンガポールで協定締結
(中国、ベトナム、シンガポール)
広州発
2026年06月11日
中国・広東省広州市を拠点とする都市鉄道運営企業の広州地鉄集団(以下、広州地鉄)は2026年6月、ベトナムおよびシンガポールの鉄道関連企業と相次いで協力協定を締結した。同集団の海外展開が加速している。
同社は6月1日、ベトナム鉄道公社(VNR)とハノイ市で戦略的協力協定を締結し、同日にベトナム駐在員事務所を開設した。両社は電化鉄道や都市鉄道システムの運営管理、建設、公共交通指向型都市開発(TOD)、人材育成などの分野で協力を進める。今回の協定は、4月14日から17日にかけてベトナム共産党のトー・ラム書記長兼国家主席が中国を公式訪問した際に確認された、インフラ分野における相互接続強化に関する両国首脳合意(2026年4月21日記事参照)を具体化した取り組みの1つと位置付けられている(「ベトナム通信社」6月2日)。
ベトナムでは都市鉄道整備が進んでおり、2035年までにハノイ市で7路線(約398キロメートル)、ホーチミン市で6路線(約183キロメートル)、合計約580キロメートルの路線整備が計画されている。将来的には、鉄道総延長は約7,000キロメートルに達する見込みだ。
また、広州地鉄は6月3日には、シンガポールの鉄道会社SMRTと協力覚書(MOU)および協力協定を締結し、共同でイノベーション実験室を設立した。同実験室では、SMRTの車両基地を拠点に鉄道の信頼性向上や利用者サービス改善に向けた技術開発を行う。広州地鉄は、運営保守、技術開発、人材育成の3分野を協力の柱とし、デジタルツイン(注)やスマート運営などの先端技術の共同開発を進める方針を示している。署名式には、中国の駐シンガポール大使の曹忠明氏やシンガポール文化・コミュニティ・青年省兼貿易産業省の上級政務大臣の劉燕玲氏も出席した。
さらに同日午後には、広州地鉄傘下の資源経営会社が、SMRT傘下のステラ・ライフスタイル、および深セン市に拠点を置くロボット・人工知能(AI)関連企業の聚橙机器人科技との間で3者協定を締結し、鉄道沿線の商業運営やスマート設備の導入、国際的な商業リソースの統合などで協力することで合意した。
広州地鉄は、営業総延長が中国3位の規模を有する都市鉄道事業者で、地下鉄や都市間鉄道の建設・運営のほか、商業・住宅プロジェクトなどの不動産開発も手掛けている。近年は海外での協力も進めており、今回の一連の協力もその一環とみられる。
(注)現実世界をデジタル空間に再現し、リアルタイムでシミュレーションを行う技術。
(西村京子)
(中国、ベトナム、シンガポール)
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