米スペースX、AIコーディングツール「カーソル」開発のエニスフィアを600億ドルで買収へ
(米国)
サンフランシスコ発
2026年06月25日
米国の宇宙開発企業スペースX(Space Exploration Technologies、本社:テキサス州スターベース)は6月16日、企業価値600億ドルで人工知能(AI)コーディングツール「カーソル(Cursor)」を展開するエニスフィア(Anysphere、本社:カリフォルニア州サンフランシスコ)を買収する契約を締結した。取引は合併形式で実施され、完了後、エニスフィアはスペースXの傘下に入る。買収完了は2026年第3四半期を見込む。
カーソルは、ソフトウエア開発者がプログラムを書く際にAIを活用できる開発支援ツール。開発者が自然文で指示を出すと、AIがコードの作成や修正、既存コードの確認などを支援する。スペースXは4月、エニスフィアを将来的に買収できる権利を得る契約を結んだ。契約では、スペースXがエニスフィアにGPU(画像処理装置)クラスター(注1)を使った計算能力を提供し、スペースXの最高経営責任者(CEO)イーロン・マスク氏が設立したAI企業エックスAI(xAI)の生成AIモデル「グロック(Grok)」(注2)を含む既存モデルの改善や、関連製品の共同開発で協力する内容としていた。今回の買収により、スペースXはAIモデルや計算基盤に加え、開発者がAIを使ってコードを書くためのツールも傘下に収めることになる。
サンフランシスコ・ベイエリアのAIコーディングツールを巡る最近の動きとしては、ウインドサーフ(Windsurf)の実質的な解体がある。同社は2025年7月、グーグルとの契約でCEOや共同創業者を含む主要人材がグーグル・ディープマインドへ移籍。その後、AIソフトウエアエンジニア「デビン(Devin)」を開発するコグニションが同社の知的財産や製品、ブランド、事業を取得した(2025年8月12日記事参照)。
今回のエニスフィアの買収は、スペースXの上場直後に発表された大型案件となる。同社は6月12日に米ナスダック市場に新規上場した。6月15日に新規株式公開(IPO)を完了し、約857億ドルを調達した。
(注1)AIの学習や推論に必要な計算を高速で処理するため、複数のGPUを接続して構成する計算基盤。
(注2)利用者の質問への回答や文章作成、プログラムコードの生成・修正などを行える生成AI。
(武田史織)
(米国)
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