米ファンド、ブラジルでSAF生産に20億ドルの投資を発表

(ブラジル、米国)

サンパウロ発

2026年06月03日

米プライベート・エクイティ・ファンドのサミット・アグリカルチュラル・グループは、5月29日付現地紙「バロール」のインタビューで、サンパウロ州パウリニア市に持続可能な航空燃料(SAF)の製造拠点を新設する計画を明らかにした。ブルース・ラステッター代表執行役会長によれば、投資額は20億ドル。2030年の生産開始を見込む。同社は、傘下企業のジェットバイオを通じて、第2期作トウモロコシやサトウキビ由来のエタノールを原料とするSAF生産に取り組む(注1)。

同グループは、トウモロコシ由来のエタノール生産企業であるフュエルサステナビリティー(FS、注2)の株主で、2014年に設立された。FSは、トウモロコシ由来のエタノール生産では、ブラジルで第2位の規模を持つ。FSの同分野への投資額は既に約100億レアル(約3,170億円、1レアル=約31.7円)に達する。

ブラジルを選んだ理由について、ラステッター氏は「他地域に比べ燃料のカーボンフットプリントが低い」点を挙げた。同氏は、「世界の主要航空会社はいずれもSAF導入に関する目標を掲げている(注3)。既に複数の航空会社と協議を進めており、プラント建設の進展と並行してオフテイク契約(注4)の締結を進める」と述べた。

(注1)第2期作はサフリーニャと呼ばれ、第1期作に大豆を作付けして収穫した後に、同じ土地でトウモロコシを作付けして収穫する方法。ブラジル農牧畜研究公社(Embrapa)によれば、近年はトウモロコシ生産量の7割以上がサフリーニャによるもので、第1期作の生産量を大きく上回る(2026年1月20日付地域・分析レポート「モビリティーへの活用 ブラジルの次世代燃料政策と動向(1)」参照)。

(注2)FSは、トウモロコシ由来のエタノール生産を行うブラジル初の企業。鉱山エネルギー省(MME)傘下のエネルギー調査会社(EPE)によると、2024年のブラジルのトウモロコシ由来エタノール生産量は約74億リットル。FSの2024年の同生産量は約23億リットルで、国内生産の約3割を占める。

(注3)2027年から国際民間航空機関(ICAO)の脱炭素目標が適用されるため、航空業界でのSAF需要が急増すると見込まれる。ブラジルでも「未来の燃料法」施行に伴い、2027年1月1日以降、国内線を運航する航空会社に対し、SAFの使用によって温室効果ガス(GHG)排出量を年1%削減する義務が課されている。(2024年10月16日記事参照)。カーボンフットプリントについては、日本の環境省のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照。

(注4)事業開発などにおいて、生産される製品を長期的に買い取ることを約束する契約のこと。

(エルナニ・オダ、中山貴弘)

(ブラジル、米国)

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