米ミシガン州の投資家と産学、州横断のイノベーション連携枠組みの創設を発表
(米国)
サンフランシスコ発
2026年06月04日
ミシガン州デトロイトで5月21日、州全体のイノベーション・エコシステム強化を目的とする投資家、大学、企業、スタートアップからなる州横断的な連携枠組み「イノベーション・アライアンス(Innovation Alliance)
」の創設が発表された。
州内では、同アライアンスの発足前から、60以上の組織が関わる「ミシガン・イノベーション・ファンド(注1)」の推進、企業リーダーと研究大学の協働、州チームによるマサチューセッツ工科大学の地域起業家アクセラレーション・プログラム(MIT REAP、注2)への参加など、複数の取り組みが進んでいた。今回のアライアンスは、こうした取り組みを州全体で連携させるために発足した。
また、同州では2018年以降、約10社のユニコーン企業(注3)が生まれ、州内での研究開発で創出された価値の規模で全米トップ10に入る。一方で、初期・成長段階の資金供給では同等州の中で32位にとどまり、加えて、2020~2022年にかけて州外へ移転したミシガン大学発スタートアップは、移転後に約4倍の資金を調達したとしている。
同州には研究大学、産業基盤、複数地域にまたがる起業家人材が存在する一方、州全体の成果がそれらの資産に必ずしも見合っていないとの課題が指摘されている。同アライアンスは、こうした高成長企業の州内定着に向け、資金、顧客、人材、支援システムへの接続も強化する。
初年度は、州全体のイノベーション経済開発戦略の策定、公共政策アジェンダの構築、イノベーション関連の発信キャンペーン、ミシガン州の進捗を測定・共有する公開ツールの整備を進める。長期目標としては、ミシガン州を全米トップ10のイノベーション経済圏に位置付けることを掲げている。
本発表は、5月19~21日にかけてデトロイトにて開催されたミシガンテックウィーク(2026年6月3日記事参照)に合わせて行われた。
(注1)ミシガン・イノベーション・ファンドは、州内のベンチャー開発、初期段階投資、経済成長の促進を目的とする州資金プログラム。財源は、州の既存の初期段階ベンチャー投資ファンドに積み上がった実現済みリターンで、同ファンドから6,000万ドルをミシガン・イノベーション・ファンドに移管している。資金は、エバーグリーン型ベンチャーファンド、新興ファンド、スタートアップ支援NPOなどに配分される。
(注2)MIT Regional Entrepreneurship Acceleration Programの略。地域の起業家エコシステム強化を目的とするマサチューセッツ工科大学(MIT)のプログラム。毎年最大8地域を採択し、各地域から政府、企業、大学、リスク資本、起業家コミュニティーの関係者で構成される最大15人のチームが参加する。ミシガン州は2024年から参加している。
(注3)評価額が10億ドル以上の未上場スタートアップ。
(武田史織)
(米国)
ビジネス短信 1e059f9490faaad0





閉じる