フランス中銀、2026年のGDP成長率予測を0.5%に下方修正
(フランス、米国、イラン)
パリ発
2026年06月22日
フランス銀行(中央銀行)は6月16日、最新のマクロ経済予測を公表した。2026年の実質GDP成長率を0.5%とし、3月時点の0.9%から下方修正した(2026年4月3日記事参照)。
第1四半期の景気の下振れが原因だ。航空機エンジンの供給難など一時的な要因により、前期比0.1%減となった。第2四半期も低調に推移する見通しだ。その後は、民間最終需要、特に家計消費と企業投資の回復に支えられ、実質GDP成長率は2027年に0.9%、2028年に1.2%へと回復するとみられる。
2026年のインフレ率は2.5%と、前回予測の1.7%から0.8ポイント上方修正した。エネルギー価格の上昇と、その波及効果(ジェット燃料主成分のケロシン価格の上昇による航空輸送費の増加や、農産物・肥料価格の上昇に伴う食品価格の上昇など)により押し上げられる見通しだ。エネルギー価格の落ち着きに伴い、2027年および2028年には1.7%へと低下する見込み。
一方、エネルギー・食品を除くインフレ率は、エネルギー価格上昇の影響が徐々に工業製品に転嫁されるほか、賃上げの動きがサービス価格にも波及し、2026年に1.6%、2027年に2.1%に上昇し、その後、2028年には1.8%へと低下する見通しだ。
財政面では、2025年の財政赤字のGDP比は5.1%となり、前年の5.8%から顕著な改善がみられた。今後、追加的な歳出削減策がなければ、2026年は5.2%へとわずかに拡大する見込み。公的債務のGDP比は引き続き上昇し、2028年末には122%に達し、ユーロ圏平均の90%との差がさらに拡大する傾向にある。
今回のマクロ経済予測は、2026年5月21日時点の市場予測に基づき、イランと米国の交渉が大きく進展し、ホルムズ海峡の航行再開および今夏の完全な敵対行為の停止が実現することを前提に、原油価格の高騰は一時的なものにとどまると見込んでいる。6月14日に公表された米国とイランの間で枠組み合意が締結される可能性については考慮されていない。
あわせて、本予測ではエネルギー価格の見通しに応じて、2つの下振れシナリオも提示された。より顕著で長期的なエネルギー価格の高騰を織り込むシナリオでは、インフレ率は2026年に4.0%、2027年に3.9%に達し、その後2028年に2.4%に正常化、実質GDP成長率は2026年に0.0%、2027年にマイナス0.1%と停滞し、2028年に1.4%まで回復すると予想している。
(山崎あき)
(フランス、米国、イラン)
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