フランス中銀、2026年のGDP成長率予測を0.9%に下方修正
(フランス、中東)
パリ発
2026年04月03日
フランス銀行(中央銀行)は3月25日、最新のマクロ経済予測を発表した(添付資料表参照)。2026年の実質GDP成長率は0.9%とし、2025年12月時点の予測から0.1ポイント下方修正した(2025年12月24日記事参照)。2025年末の経済活動は予想以上に底堅く、直近の景況感調査から2026年第1四半期も景気は堅調に推移の見込み。しかし、その後はエネルギー価格の上昇や中東情勢を巡る地政学リスクの高まりが景気の下押し要因となるとした。
GDP成長率は2027年も0.8%にとどまるが、2028年には輸出と民間需要の回復を背景に1.2%に持ち直すと予測した。2027~2028年にかけて、購買力の改善に支えられた家計最終消費支出(個人消費)と企業設備投資の回復が内需を下支えする見込み。
インフレ率は2025年の年平均0.9%から、エネルギー価格上昇の影響で2026年に1.7%へ上昇するとした。その後、エネルギー価格の沈静化により2027年には1.4%に低下するものの、サービス価格の上昇を背景に2028年には1.6%へ再び上昇すると予測した。
フランス銀行は、中東情勢を巡る不確実性が極めて大きいとして、2つの下振れリスクシナリオを提示した。2026年第2四半期にホルムズ海峡を通過する原油・液化天然ガス(LNG)の通過量が40%減少すると想定する「不利な」シナリオでは、エネルギー価格の短期的な上昇幅は上記の基本シナリオを上回る見込みとなる。しかし、情勢が落ち着いた後には、中東で原油・LNGの生産および輸出が速やかに回復し、2027年末には基本シナリオの水準に収れんするとした。
一方、原油・LNGの通過量の60%が途絶し、既存インフラが長期的に損傷を受けると想定する「非常に不利な」シナリオでは、エネルギー価格は大幅に上昇した後、高水準で推移し、不確実性もより長期化するとした。この場合、2026年のインフレ率は3.3%に達する見通し。
ただし、2026年の実質GDP成長率は、基本シナリオの0.9%から「不利な」シナリオで0.6%、「非常に不利な」シナリオでも0.3%となり、いずれもプラス成長は維持されるとした。
中東情勢のフランス経済への影響は、現時点では、2022年のロシアによるウクライナ侵攻開始時に比べ限定的とみる。フランス銀行は、インフレ率が比較的低水準にとどまっているほか、LNG輸入能力の拡充、ガス需要の減少、発電に占める再生可能エネルギー比率の上昇に加え、原子力発電所の再稼働でフランスが再び電力の純輸出国となっている点を挙げ、ガス価格の上昇が国内物価や景気に与える影響は抑制されると説明した。
(山崎あき)
(フランス、中東)
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