中国エンビジョンとタイのIES、ラオスでAI活用の統合型再エネ事業を推進

(ラオス、中国、タイ)

ビエンチャン発

2026年06月12日

グリーンテクノロジー分野の大手である中国企業エンビジョン・エナジー(Envision Energy)と、東南アジアで再生可能エネルギー開発を手掛けるタイ企業インパクト・エレクトロンズ・サイアム(IES)は6月1日、戦略的パートナーシップを締結した。

両社は、三菱商事などの日系企業も出資するラオス南部の「モンスーン風力発電プロジェクト(2025年9月4日記事参照)」を中核に、風力や太陽光、蓄電を組み合わせた東南アジア最大級の人工知能(AI)活用型クリーンエネルギーシステム「フューチャー・エナジー・システム」の構築を目指す。

同風力発電所は、2025年8月に商業運転を開始し、発電した電力をベトナム向けに全量輸出している。設備には、エンビジョン・エナジーのAI搭載スマート風力タービン「EN-171〔出力4.51メガワット(MW)〕」133基が導入されている。これらのタービンは風況や振動などをリアルタイム解析し、安全かつ効率的な運用と電力系統全体の安定化に寄与する。

今回の提携は機器供給にとどまらず、エネルギーインフラの中枢となるデジタルシステムの共同開発を含む。両社が進める「フューチャー・エナジー・システム」は、風力や太陽光、蓄電池などの再生可能エネルギーを統合的に制御し、電力系統の安定性と信頼性の向上を図るものだ。水力発電に加えて風力や蓄電池を組み合わせ、多様なクリーンエネルギーを最適に運用することで、安定した電力供給体制の構築を目指す。このインフラから供給されるグリーン電力は、ラオス国内のスマートシティやグリーンデータセンターのほか、環境配慮型の鉱業や製造業など、持続可能な産業を支える基盤となることが期待されている。

ラオス政府は電力部門を国家経済の「エンジン」と位置づけているが、水力発電への依存度が高く、降雨量の季節変動や気候変動による供給リスクが課題となっていた。こうした状況を踏まえ、2030年までの商工業開発計画では、風力や太陽光といった非水力の再生可能エネルギーを年率15%以上で拡大する方針を掲げ、地域のグリーンエネルギー・ハブとしての地位確立を目指している。今回の取り組みは、再生可能エネルギーとAIを組み合わせた新たなモデルケースとして、域内外から注目を集めている。

(山田健一郎)

(ラオス、中国、タイ)

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