AMRO見通し、GDP成長率に地域差、インフレ率は引き上げ

(シンガポール、中国、香港、韓国、ASEAN、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、ベトナム、日本、中東)

シンガポール発

2026年06月04日

シンガポールに所在する国際機関「ASEAN+3マクロ経済調査事務局(AMRO)」は6月2日、ASEAN+3(中国・香港、日本、韓国)の実質GDP成長率(経済成長率)の予測を発表した(AMROプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、注)。同地域全体の2026年の経済成長率は前年比4.0%とし、4月発表の予測から据え置いた(2026年4月7日記事参照)。一方、消費者物価指数上昇率(インフレ率)は1.4%から1.8%へ引き上げた。

経済成長率の修正は地域内でばらつきがある。人工知能(AI)主導の堅調な技術サイクルを背景に、香港(2026年4月予測:2.8%→6月予測:3.4%)、韓国(1.9%→2.4%)は上方修正された。一方、フィリピン(5.3%→4.1%)やベトナム(7.4%→7.2%)など一部のASEAN加盟国は、インフレによる内需の圧迫が見込まれることから下方修正された。

インフレ率の上方修正は、エネルギー輸入依存度の高さや、消費に占める食品の比重の大きさを背景に、ASEAN加盟国でより顕著となっている。同地域では、マレーシアとミャンマーのみが据え置かれ、その他は上方修正された。

今回のベースライン予測では、ホルムズ海峡の混乱が徐々に緩和し、2026年第3四半期以降に原油価格が安定、エネルギーや石油化学製品の流通は正常化するとの前提を置く。AMROは報告書の中で、主な懸念として、「安全保障リスクの高まりにより、輸送費や保険料の割り増しが継続する可能性」を指摘した。これにより、「精製・石油化学製品の流通正常化が遅れ、主要な工業用原材料の逼迫が長期化し、化学品、プラスチック、電子機器の供給網に影響が及ぶ可能性がある」とした。さらに、肥料供給の混乱が遅れて食品価格に転嫁される可能性にも言及し、こうした圧力が強まれば下振れリスクはさらに高まるとした。

(注)東ティモールは含まない。

(朝倉啓介)

(シンガポール、中国、香港、韓国、ASEAN、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、ベトナム、日本、中東)

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