ペルー通商観光相が交代、前任はブラジルとの経済補完協定を巡り議会と対立

(ペルー、ブラジル)

リマ発

2026年06月12日

ペルーのホセ・バルカサル大統領は6月9日、ホセ・レジェス氏(6月3日辞任)の後任の通商観光相をベルティン・ゴメス氏とした。同日大統領官邸で宣誓式を行った。

ゴメス氏は直前まで首相府所轄の「麻薬撲滅のための社会開発・生活に関する国家委員会(Devida)」の委員長を務めた。国営の空港運営会社「コルパック(Corpac)」や石油公社「ペトロペルー(PetroPerú)」など公的機関の勤務が長い。

前任のレジェス氏は、ブラジルとペルーとの間で経済交流を深めることを目的として2016年4月に締結された経済補完協定(2016年5月31日記事参照)に政府調達に関する汚職撲滅条項を入れるかどうかに関し、一部の議会関係者と意見の対立があることを理由に6月3日、辞任していた。

ブラジルのコングロマリットであるオデブレヒト・グループが絡む汚職事件「ラバジャット」は、ペルーの歴代大統領の汚職事件につながり両国に大きな影響を与えた。これを踏まえ両国政府は汚職撲滅条項を入れることで合意していたが、ブラジル大統領がジャイール・ボルソナーロ氏からルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ氏に交代すると、ブラジル側は同条項を入れることを拒否した。汚職撲滅条項を盛り込むべきと考えるレジェス氏に対し、7月に任期満了を控えるなか条項を削除した上で批准を急ぎたい一部の議員から圧力がかかっていた。

ペルーの貿易協定事情に詳しいホセ・シルバ元通商観光相は6月10日、ニュース専門ケーブルテレビ「カナルN」のニュース番組に出演し、政権交代が迫る中でブラジルとの経済補完協定への条項追加を性急に進めるべきではないとした。また、「ペルーに必要なことは健全な企業による中長期的な視点での持続可能な投資だ」と述べ、任期が2カ月を切った暫定政権にもかかわらずバルカサル大統領が議員の政治的思惑に沿って大臣を交代させる人事に疑問を呈した。

(石田達也)

(ペルー、ブラジル)

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