英政府機関、中東情勢を踏まえ家庭用エネルギー料金上限額引き上げを発表、7月から13%

(英国、中東)

ロンドン発

2026年05月28日

英国政府機関のガス・電力市場局(Ofgem、エネルギー部門の規制機関)は5月27日、2026年7~9月の家庭用エネルギー料金上限額(注1)について13%引き上げると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。現在適用されている4~6月の上限額は2月25日に発表されたもの(2026年3月4日記事参照)で、イスラエルおよび米国によるイラン攻撃(2月28日)以降初めての上限額見直しとなる。

今回の発表では、一般的な世帯(注2)が口座振替(Direct Debit)で支払う場合の年間支払額を1,862ポンド(約39万8,468円、1ポンド=約214円)と現在より221ポンド(13%)増額する設定とした。前年同期と比較(インフレ調整後)すると6%の増額に相当し、1,928ポンドだった2024年1~3月以来の高水準となる。他方、最大で4,279ポンド(2023年1~3月、2022年12月2日記事参照)まで上昇したロシアによるウクライナ侵攻開始時よりはるかに低い水準だ。1キロワット時(kWh)当たりの従量料金の平均(注3)は、電力が24.67ペンス(1ポンド=100ペンス)から26.11ペンスへ、ガスが5.74ペンスから7.33ペンスへ引き上げられる。一方で、1日当たりの基本料金は、電力が57.21ペンスから57.19ペンスへ、ガスが1日当たり29.09ペンスから29.04ペンスへわずかに引き下げられる。

Ofgemは今回の上限額引き上げについて、中東情勢による卸売ガス価格の上昇の結果と説明。Ofgemが公表した資料によると、上限額の算定諸元として用いられた卸売ガス価格は前期比で50%と大幅に上昇している。次回の見直しとなる10~12月の上限額は8月26日に発表される予定だ。

Ofgemは合わせて、電気料金割引スキーム(BDS、注4)に関わる費用を、価格上限に算入する方法についての意見公募外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを開始。6月24日まで意見を募集する。

(注1)供給事業者が固定料金(fixed-rate tariff)契約に加入していない標準料金(default tariff)契約の世帯に対して請求できるガス・電力の従量料金および基本料金の上限額を制限する制度。上限額はイングランド、スコットランド、ウェールズで適用され、3カ月ごとに見直しされる。

(注2)ガス1万1,500kWhおよび電力2,700kWhを年間消費する世帯を指す。

(注3)従量料金および基本料金は地域により異なる。

(注4)英国政府が導入を検討している制度で、近隣住民の受容を促進し送電インフラの建設ペースを保つため、新設または大幅に改修された送電インフラから500メートル圏内に居住する住民の電気料金を割り引くもの。割引の原資は供給事業者の負担とすることが提案されているため、供給事業者のコストをもとに設定する上限額において考慮が必要となる。

(齊藤圭)

(英国、中東)

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