英政府機関、家庭用エネルギー料金上限額を7%引き下げ
(英国)
ロンドン発
2026年03月04日
英国政府機関のガス・電力市場局(Ofgem、エネルギー部門の規制機関)は2月25日、2026年4月1日から6月30日までの家庭用エネルギー料金上限額(注1)について7%の引き下げを発表
した。今回の発表に先立ち、2025年11月にレイチェル・リーブス財務相が発表した秋季予算案の中で、エネルギー関連補助金の財源変更(注2)によって、平均的な1世帯あたりの年間エネルギー料金を約150ポンド(約3万1,500円、1ポンド=約210円)削減すると表明している(2025年12月2日記事参照)。
今回の発表では、一般的な世帯(注3)の年間支払額を1,641ポンドと現在より117ポンド(7%)減額する設定とした。2025年4月から6月の料金水準と比較すると11%の減額に相当し、2024年夏以降では最低水準となる見込みだ。従量料金の上限は、平均で電力が1キロワット時(kWh)あたり27.69ペンス(1ポンド=100ペンス)から24.67ペンスへ、ガスが5.93ペンスから5.74ペンスへ引き下げられる。一方で、基本料金の上限は、電気が1日あたり54.75ペンスから57.21ペンスに引き上げられ、ガスが1日あたり35.09ペンスから29.09ペンスに引き下げられる。
過去3カ月のエネルギー卸売価格の推移を見ると、世界の相場と合わせて下落しているが、現在の価格統制枠組み(RIIO-3、注4)による電力・ガスネットワークの更新と維持管理コストの上昇によって、一般的な世帯あたり年間約66ポンドの負担増となっており、ロシアのウクライナ侵攻を受けたエネルギー危機以前より約3分の1高い水準にとどまっている。
(注1)供給事業者が標準料金(default tariff)契約の世帯に対して、請求できるガス・電力の単位あたり料金および日次基本料金の上限額を制限するもの。
(注2)政府は秋季予算案で消費者が電気料金で負担していたエネルギー効率化義務(ECO)制度を終了し、再生可能エネルギー購入義務(RO)補助金の家計負担分の4分の3を税収で賄うと表明。
(注3)ガス1万1,500kWhおよび電力2,700kWhを年間消費し、ガス・電気料金を口座振替で支払う世帯を指す。
(注4)電力・ガス網などのエネルギーインフラのアップグレード投資に重点を置き、将来の料金安定化を図る枠組み。
(バリオ純枝)
(英国)
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