中国の対ブラジル投資、2025年は投資金額が61億ドル、鉱業分野への投資は前年比3倍超
(ブラジル、中国)
サンパウロ発
2026年05月14日
ブラジル・中国ビジネス委員会(CEBC、注1)は5月7日、「中国の対ブラジル投資2025年
」を発表した。同報告書によると、2025年の中国による対ブラジル投資額は約61億ドルとなり、前年比45%増加した。2017年以降での最高額を記録した。プロジェクト件数は52件(前年比33%増)で、統計を開始した2007年以降の最多だった。
投資金額ベースでは、ブラジルは2025年に中国からの投資受け入れ額が世界で最も多い国となった。これまでは米国が最大の投資相手国だったが、米国を上回った。なお、中国の対外直接投額資全体に占めるブラジルの割合は10.9%だ。CEBCは、投資額増加の要因として為替の影響を指摘している。ブラジル資産をドル換算した価格が下落し、海外投資家にとって投資妙味が高まったという。
分野別では、「電力」が投額資全体の29.5%(約17億9,000万ドル)を占め、2024年に引き続き最大となった。同分野のプロジェクトは、風力、太陽光、水力など再生可能エネルギー関連が中心だった。次いで「鉱業」が29.0%(約17億6,000万ドル)、「自動車・自動車部品製造」が15.8%(約9億6,500万ドル)だった。
特筆すべきは鉱業分野への投資で、投資額は前年の約5億6,600万ドルから3倍超に増加した。CEBCによると、中国企業はエネルギー移行に不可欠な重要鉱物への関心を強めており、2025年は銅やニッケル関連の投資が目立った。また、自動車・自動車部品製造分野では、ブラジルの電動車(注2)市場で中国企業の存在感が高まっており(2025年12月4日付地域・分析レポート参照)、同分野への投資拡大はこの動きを反映したものとみられる。
同報告書では今後について、中国企業による脱炭素化への関心の高まりを背景に、再生可能エネルギーを中心とした電力関連プロジェクトや電動車関連プロジェクトへ向けの高水準な投資が継続すると見込む。また、銅やニッケルに加え、大規模な埋蔵量を誇るグラファイトやレアアースへの注目も集まっている。鉱業分野への投資もさらに拡大する可能性がある。
(注1)CEBCは、ブラジル・中国間の貿易や投資の促進、ビジネス環境改善を目的に、2004年に設立された非営利団体。北京市とリオデジャネイロ市の双方に事務所を構えている。
(注2)バッテリー式電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、フルハイブリッド車(HEV)、マイルドハイブリッド車(MHEV)の総称。
(エルナニ・オダ)
(ブラジル、中国)
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