英国王が演説、今回の議会で成立を目指す27法案に言及
(英国、EU、ウクライナ、イスラエル、パレスチナ)
ロンドン発
2026年05月18日
英国議会は5月13日の開会式で、国王チャールズ3世が政府施政方針について演説
を行った。同月7日に行われた英国イングランドの地方議会選挙、スコットランドおよびウェールズの議会選挙で国政与党・労働党が大幅に議席を減らした(2026年5月14日記事参照)直後のものだ。
演説では、今会期での成立を目指す法案のうち、27法案(注)に触れた。主なものは次のとおり。
- 鉄鋼産業(国有化)法案:ブリティッシュ・スチールなどの鉄鋼会社・事業を国有化し、鉄鋼産業の生産体制の保護、国内工場の生産停止の防止などで経済の強靭(きょうじん)性を強化する。
- 欧州パートナーシップ法案:電力、排出量取引、食品・飲料など、EUと合意済み、および将来合意に至る新協定の実施を促進し、英国とEUとの貿易・投資関係を改善する。また、不必要な貿易上の障壁を取り除き、英国の成長や雇用など経済的繁栄を促進する。
- 移民・難民法案:公正かつ厳格な難民認定制度を構築するとともに、外国人犯罪者や英国に滞在する権利のない者の国外退去・強制送還を迅速化する。また、入国管理規制の秩序と統制を取り戻し、公正かつ効率的に運用する。
- エネルギー自立法案:生活費高騰への対処と消費者の保護のため、家庭の光熱費の削減を行う。また、エネルギー安全保障に向けた取り組みを加速するため、重要な電力網インフラの整備の加速、既存の石油・ガス田の管理、再生可能エネルギー分野の洋上労働者に対する雇用上の権利・保護の拡大、新規石炭採掘許可の廃止という公約の実現などにより、公正かつ秩序のあるクリーンエネルギー移行を実現する。
- 原子力規制法案:既存の規制を見直し、規制当局に対してより明確な指針を示すとともに、規制の制度的枠組みを合理化し、成果重視の規制の実効性・体制を強化する。
その他、公共サービスの近代化に向けてデジタル身分証明(ID)を導入する法案、国営医療サービス(NHS)の患者の医療・社会福祉記録を一元管理する制度の導入などに関する法案に言及した。空港拡大や道路建設の迅速化、見習い制度や若年層の失業対策への投資などにも触れた。さらに、NATOおよびNATO加盟国に対するコミットメント保持、ウクライナ支援の継続、欧州諸国との関係改善、イスラエル・パレスチナの二国家解決案の推進を継続することも表明した。
(注)英国政府が公表した国王演説背景説明資料
によると、今会期での成立を目指す法案の数は37。
(バリオ純枝)
(英国、EU、ウクライナ、イスラエル、パレスチナ)
ビジネス短信 cff4fecb0a8ca762





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