英国地方選でリフォームUKや緑の党が躍進、国政与党・労働党は議席大幅減
(英国)
ロンドン発
2026年05月14日
英国イングランドの地方議会選挙、スコットランドおよびウェールズの議会選挙が5月7日に行われた。イングランド地方議会選挙では、国政与党・労働党が1,498議席減の1,068議席、保守党が563議席減の801議席と、伝統的な2大政党はいずれも大幅に議席を減らした。一方、右派のリフォームUKは、総議席5,036のうち、1,452議席増の1,454議席を獲得する大躍進となった。また、左派の緑の党も441議席増の587議席を獲得するなど、与党・労働党は両党に議席を奪われるかたちとなった(添付資料図1、図2参照)。
改選議席全体に占める割合では、リフォームUKが28.9%の約3割と他党を引き離した。一方、労働党(21.2%)、自由民主党(16.8%)、保守党(15.9%)、緑の党(11.7%)の主要4政党はいずれも約1~2割台前半にとどまり、票が分散した。今回の選挙結果に関し、英国の政治学者ジョン・カーティス氏はBBC(5月10日付)の記事で「英国が前例のない多党制の時代に突入したことを裏付けた」と分析した。
リフォームUKは、イングランド北東部のサンダーランド、中北部のバーンズリーといった労働党の牙城で同党を破り過半数を獲得したほか、中部のニューカッスル・アンダー・ライムや東部のサフォークでは保守党の支持基盤も切り崩した。緑の党は、ロンドン中心部の一部地域(ハックニー、ルイシャムなど)やマンチェスター、ニューカッスル・アポン・タインなどの都市部で労働党と競り合い、議席を増やした。
ウェールズでは労働党が27年間維持してきた政権を失い、独立志向のプライド・カムリ(ウェールズ党)が最大政党となった。スコットランドではスコットランド国民党(SNP)が58議席を獲得し第1党の座を維持したものの、単独過半数(65議席)には届かなかった。
キア・スターマー首相は5月11日に記者会見を開き、厳しい選挙結果への責任を認めつつも、今後数週間から数カ月で労働党の状況を好転させていく考えを示した。次回のEU・英国サミットで打ち出す「英国の新たな方向性」やブリティッシュ・スチールの国営化策(2025年4月16日記事参照)などにも言及。5月9日には、元労働党党首で首相経験者のゴードン・ブラウン氏を国際金融協力担当の首相特別顧問に、元労働党副党首のハリエット・ハーマン氏を女性・女児問題担当顧問に任命した。
(森詩織)
(英国)
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