トランプ米大統領、対イラン交渉で慎重姿勢、「最終段階」から圧力維持へ

(米国、イラン、イスラエル、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタール、パキスタン、トルコ、エジプト、ヨルダン、バーレーン、中東)

テルアビブ発

2026年05月25日

米国のドナルド・トランプ大統領は523日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」でイランを巡る協議について、中東主要国などの首脳との電話会談を実施し、戦闘終結に向けた覚書(MOU)を巡る調整が進展していると発表した。サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタール、パキスタン、トルコ、エジプト、ヨルダン、バーレーンと調整を進め、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とも個別に協議したと述べた。

画像 中東主要国首脳との電話協議に関するトランプ大統領のSNS「トゥルース・ソーシャル」でのコメント画面(トゥルース・ソーシャルのトランプ大統領の公式アカウントより)

中東主要国首脳との電話協議に関するトランプ大統領のSNS「トゥルース・ソーシャル」でのコメント画面(トゥルース・ソーシャルのトランプ大統領の公式アカウントより)

しかし、トランプ大統領の翌24日の投稿では姿勢に変化がみられた。交渉は「秩序立って建設的」と評価しつつも、「急ぐ必要はない」として時間をかけた合意形成を指示し、合意成立まで対イラン海上封鎖といった圧力を維持する方針を示した。核兵器保有の阻止を「絶対条件」とする点は維持しつつ、交渉は「最終段階」との発言(2026年5月21日記事参照)から慎重な調整局面に移行した。

画像 対イラン海上封鎖の維持を示したトランプ大統領のSNS「トゥルース・ソーシャル」でのコメント画面(トゥルース・ソーシャルのトランプ大統領の公式アカウントより)

対イラン海上封鎖の維持を示したトランプ大統領のSNS「トゥルース・ソーシャル」でのコメント画面(トゥルース・ソーシャルのトランプ大統領の公式アカウントより)

これに対し、イスラエルのネタニヤフ首相は同日、自身のX(旧Twitter)でトランプ大統領との電話協議の内容を公表し、「最終合意は核の脅威を完全に排除するものでなければならない」と明言した。具体的には核濃縮施設の解体と濃縮ウランの国外搬出を要求し、「イランは核兵器を持たない」との原則を再確認した。また、「レバノンを含む全戦線でのイスラエルの自衛権」について米国の支持を得たと強調した。

画像 トランプ大統領との電話協議に関するイスラエルのネタニヤフ首相のコメント画面〔X(旧Twitter)のネタニヤフ首相の公式アカウントより〕

トランプ大統領との電話協議に関するイスラエルのネタニヤフ首相のコメント画面〔X(旧Twitter)のネタニヤフ首相の公式アカウントより〕

一方、イランの保守強硬派メディアであるタスニム通信は5月24日、米国との戦闘終結に向けた協議を巡り、米国側の対応が交渉の進展を妨げていると報じた。同通信によれば、凍結資産の解除など一部条項を巡り米国側の「妨害が継続している」ため、交渉が難航しているとされる。また、「現時点でも合意に至らない可能性が残っている」と指摘した。さらにイラン側は、交渉において国民の権利に関わる「レッドライン」では譲歩しない方針を強調した。

イスラエルの軍事衝突の関連情報は、イスラエルとハマスの衝突の特集イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報を参照。

(中溝丘)

(米国、イラン、イスラエル、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタール、パキスタン、トルコ、エジプト、ヨルダン、バーレーン、中東)

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