ADB年次総会でエネルギー、デジタル連結性、重要鉱物分野の新たな協力案件が発表

(ウズベキスタン、アジア)

タシケント発

2026年05月20日

第59回アジア開発銀行(ADB)年次総会が5月3日から6日にかけてウズベキスタンのサマルカンドで開催された。本会議では、アジア太平洋地域における統合的なエネルギーシステムの構築、デジタル連結性の拡大、ならびに重要鉱物資源のサプライチェーン強化に関する新たな協力案件が発表された。

開会式でADBの神田真人総裁は、最近の地政学的な混乱がエネルギー市場、サプライチェーン、デジタルネットワークを通じて経済の安定に脅威をもたらしていると強調。個々の国家の枠を超えた新たな地域システムの構築の必要性を指摘した。ADBは5月3日、再生可能エネルギーを基盤とする総額500億ドル規模の汎(はん)アジア統合電力網構築プログラム、および200億ドルの投資を伴うアジア太平洋地域における越境デジタル連結性拡大プログラムの開始を発表した。

ウズベキスタンとの協力については、再生可能エネルギーの推進に向けた同国の取り組み(2025年12月17日記事参照)を踏まえ、ADBはサウジアラビアのACWAパワーによる、ブハラ州での出力300メガワット(MW)の風力発電プロジェクトに対する1億1,600万ドルの融資に関する合意書を同社と締結した。

ADBは5月3日、重要鉱物の採掘から利活用を支援するプログラム「重要鉱物から製造へ(CMM)」の創設を発表した。日本政府から2,000万ドル、英国政府から160万ドルが既に拠出されているほか、韓国輸出入銀行および韓国貿易保険公社とそれぞれ5億ドル規模の資金供与に関する覚書が締結された。

ウズベキスタンは既にこのADBのプログラムへの参加意向を表明している。ADBは同国政府に対し、人工知能(AI)を活用したより効率的な重要鉱物の採掘や、廃棄物を削減しリサイクルを効率化する循環型経済の構築支援を提案する(「Gazeta.uz」2026年5月6日)。

ADBとウズベキスタンの投資協力拡大にも弾みがついた。神田総裁とウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領との会談では、2030年までの総額125億ドル規模のパートナーシップ・プログラムの交換式が行われた。インフラ整備、改革の支援、民間部門の成長、および官民パートナーシップの推進などを目的としている(「Gazeta.uz」2026年5月4日)。

(ウラジミル・スタノフォフ)

(ウズベキスタン、アジア)

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